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2013年01月08日

三菱鉛筆の意外な情熱

久しぶりにショッピングモールの文具売り場をのぞくと……

 
ボールペンコーナーの棚は百花繚乱。

中でも三菱鉛筆「ジェットストリーム」の種類がすごい。

定番の三色の油性ボールペンから、パープル、青、ライトブルー、緑、ライムグリーン、オレンジ、ベビーピンク、赤などの「ジェットストリーム カラーインクシリーズ」。
3色ペンや4色+シャープペンの多機能ペン。
それぞれの限定デザインのペン軸が増えていて、ぺんてる「ビクーニャ」やパイロット「コレト」を押しのけて売り場を占拠していました。

「種類の多さ」と「どこででも手に入る」という点では、現時点で「ジェットストリーム」が最強かも。

『三菱鉛筆株式会社』によると、2012年中にジェットストリームの新商品や限定デザイン軸が4回発売されている上に、「ジェットストリーム」のインクを使った「スタイルフィット」も限定デザインが4回発売されている。

なるほど。
それで売り場に行くたびに種類が増えていたのか。

「ジェットストリーム」の快進撃はどこまで続くんだろう。

と、ここで興味深い記事が……

「平成24年12月期の期末の1株あたりの配当予想を上方修正」。

「三菱鉛筆の株主の皆さんに配当金を予定より余分にあげましょう」という景気のいい話です。
「ほほう。ジェットストリームが売れまくったんで、株主に大盤振る舞いか。年明けから景気がええ話やなあ」と感心しながら読んでみると……

「配当予想理由 ポスターカラーマーカー「ポスカ」が発売30周年を迎えるので記念配当1円を加算し、期末配当予想を一株あたり13円50銭にする」

えっ?
「ポスカ」?
サインペンの?
「ジェットストリーム」じゃないんか? 

それにしても「一株あたり13円50銭の配当金」って高いのか安いのかよくわからないなあ。

話は「ポスカ」に戻ります。
プレスリリースによると、「ポスカ」は「ポスターカラーのようなサインペン」という意味らしい。
水性顔料系で鮮やかな色と下地を選ばない不透明インクが特徴。

発売は1983年。
当初、ポスター、ポップ、学校教材、ホビー用などに使われていましたが、90年代から女子中高生がポスカをプリクラや写真へ字や絵を描くために使いはじめ、1998年に「極細ポスカ」、「パールポスカ」を、2001年には「極細ポスカ・ラメ入り」を発売。
2008年には、女子中高生のためのスリムな軸の「DO!POSCA(ドゥ!ポスカ)」を発売。

ということは、「ポスカ」は、ユーザーの方が新しい用途を開発したために種類が増えた筆記具なのか。

私も「ポスカ」の極細タイプの紫を持っています。
イタリア革のきれいな紫の時計ベルトを買ったのはいいけれど、革の時計ベルトは使っているうちに摩擦で色が薄くなってくる。
「ポスカ」を使って時々補色しているのです。

マジックのようなきつい匂いもしないし、色もきれい。
使い勝手のいいペンです。
もっとも「時計ベルト修理用」に「ポスカ」を買った人間がいるとは、三菱鉛筆は夢にも思っていないでしょうが。

ちなみに、昨年秋に「ブラックボードポスカ」という新商品が出ています。
カフェなどの看板に使われる「ブラックボード(学校で使われるチョーク用黒板とは別のもの)」専用で、鮮やかな発色はそのままで「こすれに強い」。
「水・雨に流れにくい」のに「水ぶきで消せる」という謎の商品。

三菱鉛筆の株が市場に何万株あるかはわかりませんが、この新商品の売上がよいと見込んで、ポスカ発売30周年記念配当を大盤振る舞いしようというわけですね。
強気だなあ。

それにしても、三菱鉛筆が配当金を積み増しするほど思い入れの強い商品が、サインペンの「ポスカ」で、鉛筆の「ユニ」でも、ボールペンの「ジェットストリーム」でもなかったところが、正直意外でした。
posted by ゆか at 16:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 文具コラム | 更新情報をチェックする
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