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2013年02月02日

『デジタルネイティブの時代』

「デジタルネイティブ」……IT機器を自在に使いこなし、効率よく仕事を進める賢い若者。

……そんなイメージを抱いている。

私が二十歳の頃にパソコンがオフィスで使われはじめ、30歳の頃にネットが普及しはじめた。
今もネットやパソコンを使いこなせず、生まれた時からパソコンや携帯、ネットになじんでいる若者世代がうらやましくてしかたがないのだが……。

著者は東京大学大学院総合文化研究科教授。
1980年代以降に生まれたデジタルネイティブ世代を、文化人類学的見地から分析したのがこの本だ。

文中に難しげな人類学用語がちりばめられているので戸惑うが、ここは著者が行なった「ヴァーチュアル人類学プロジェクト」の調査結果から現れた、デジタルネイティブ世代の生態だけみることにしよう。

デジタルネイティブは4つの世代に分かれる。

ポケベルやPHSを使い、顔見知り同士の付き合いを重視する1980〜82年生まれ。
mixiが普及しはじめ、パケット代を気にしながら携帯を使っていた1983〜1987年生まれ。
定額制が一般的になり、通信料を気にせず携帯でブログを書く1988〜1990年生まれ。
ブロードバンドが当たり前、携帯でSNSやソーシャルゲームを楽しむ1991年以降生まれの世代。

……なるほど。「ネットに接触できる時間の多寡」が世代を分けるのか。

ちなみに、デジタルネイティブ全世代に共通する「ネットでのつながりの理想」は……。

「空気を読まなくていい関係」
「親しくなくてもテンションは共有できる関係」
「自分のプライバシーを知られたくない」
「不安だから不確実なことは避けたい」

……うーむ。それほど現実世界でのしがらみと不安が強いのか。

すでに日本の人口の2割を占め、今後ますます増えていく「デジタルネイティブ」世代。
行動が早く積極的だが、周囲の人間に異常なほど気を使う繊細な彼らと、うまくコミュニケーションする方法を模索しなくては。

『デジタルネイティブの時代』 木村忠正 著 平凡社新書

posted by ゆか at 09:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 本読みコラム | 更新情報をチェックする
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