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2013年02月09日

丹田呼吸法(前編) 「ヨガ」と「禅」

『私が見聞したなかで合気道における呼吸法をコンパクトにまとめてらっしゃるのは多田宏先生かと思います』


多田宏師範……予想外の名前が出てきたな。

2月15日の初講演『武道と健康』について、主宰者の方から「丹田呼吸法の実演できませんか」と要望があり、私は困りました。
合気道の丹田呼吸法は技をかけなければいけない。
会議室で武道の心得のない人を投げ飛ばすのはダメでしょう。

知人の元武道雑誌の編集者にアドバイスを請うメールを送ったところ、その返信の中で名前が出てきたのが、開祖の直弟子だった多田師範でした。

おすすめの『月刊秘伝』2011年1月号は『合気道家 多田宏の教え』特集。
合気道開祖植芝盛平翁と日本初のヨガ行者中村天風先生に師事。開祖の教え『合気道とは宇宙の進化と向上にご奉仕することである』を受け継ぎ、中村天風先生が編み出した『心身統一法』を取り込んだ独自の稽古を行なわれています。
特に力を入れているのが、ヨガの呼吸を応用した鍛錬。

……うーむ。「ヨガ」が出てきたか。

私はこれまで「禅」の丹田呼吸法を追いかけてきたのですが。
これはちょっと面倒なことになりそうだ。

『ヨガの思想と基礎知識』によるとヨガはインドの行法。
紀元前2〜3世紀に成立したラージャヨガと、紀元13世紀頃に成立したハタヨガに分かれます。

ラージャヨガは瞑想を重視、心をコントロールしていくことで悟りを得る精神面から入るヨガ……つまり「禅」の元になったもの。
ハタヨガは、ヨガポーズ、呼吸法、クンダリニー法を修練していくことで、自分の能力を開発し悟りを得る生理的なヨガ……一般的に「ヨガ」と呼ばれているものです。

元々は同じものだっただけに……区別がつきにくいな。

曹洞宗の『成城山耕雲寺』サイトに、「禅」と「ヨガ」についてのわかりやすい解説がありました。

『禅は「無」を標誘し、功徳や利益を求めない。ひたすら足を組んで坐禅をすることであり、ヨガは神人合一して身心の健康を増進させるのである』

「自己を捨てて無になる」と「神人合一」って、かなり目的が違うと思うけどなあ。
一般的には形から入るヨガの方がなじみやすいかもしれない。

しかし……ヨガか。
やっかいなことになった。

実はヨガの話は苦手なのです。

昔、長年ヨガをしている女性に会った時、「あなた、背骨に3箇所、生まれつきの欠陥があるわね。その姿勢のよさは病的よ」と指摘されて衝撃を受けました。

確かに、私には頚椎と胸椎と腰椎に欠陥……いわゆる「分離すべり症」があり、整形外科医から、「過剰に背中を反る」「かがんだままの姿勢を長く続ける」など、ヨガのポーズによく出てくる動作を禁止されています。

先天的なものだから、私自身が悪いわけじゃないけど。
「病的」とまで、はっきり言われちゃあなあ……

それ以来、ずっとヨガに対して苦手意識があるのです。

ちなみに合気道の場合は「姿勢がよい」というのが必須条件なので、ヨガの女性が指摘した「背骨に先天的な欠陥。病的な姿勢のよさ」は、合気道では「姿勢よく技が極まっていて大変よろしい」という評価になってしまうところが、気分的には救いになっています。

もちろん、多田師範の稽古法は合気道上達のためのものですから、「過剰に背中を反る」動きはないでしょうが……

多田師範が師事した中村天風先生は「命の力」の現れを「体力」「胆力」「精力」「能力」「判断力」「断行力」の6つに分け、多田師範もこの6つの「命の力」を高める呼吸法の稽古を実践されているようですが。

……「命の力」、6つともダメじゃないかな私。生まれつき病弱だし。

不安になりつつ、これまで私が追ってきた、喘息を軽くするための「一技一呼吸」の合気道の丹田呼吸法とは別の次元の「命の力を高める」ための合気道の丹田呼吸法を、具体的に見ていきましょう。

……次回に続く……
ラベル:合気道 呼吸法
posted by ゆか at 10:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 武道系コラム | 更新情報をチェックする
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