4年ほど前、夫が夜中の『サンダーバード』の再放送を録画していた時のこと。
『サンダーバード』は、1965年にイギリスで放映された特撮人形劇。
40年以上も前の作品とは思えないレベルの高い番組。
再放送も何度かあって、私も何話かは見たことがあるのですが、「1話から最終話まで毎週放映」ということなので、わくわくしながら、夜中に録画しておいたビデオを見ると……
軽快な音楽が響く中、木の樋をつたって転がるビー玉。
樋の最後には、受け皿のついたシーソー。
ビー玉は樋の最後で受け皿に落ち、その重みでシーソーの反対側の受け皿が持ち上がる。
受け皿に乗っていたのはピンポン玉。
ピンポン玉は、シーソーの持ち上がった先にあった、別の樋をつたって転がり始め、机の上へ。
机の上にはドミノが整然と並ぶ。
ピンポン玉は最初のドミノを倒し、ドミノは次々と倒れていく。
ドミノの先には留め金で固定された滑車。
滑車の下には「ピ」の文字のついたメモが張りついている。
最後のドミノが倒れて留め金がはずれ、滑車は机から、ちゃぶ台に向かって張られた凧糸をつたって、斜めに滑り降りる。
ちゃぶ台の手前、滑車の終点には別の7つの滑車。
「タ」「ゴ」「ラ」「ス」「イ」「ッ」「チ」のメモがついている。
そこに「ピ」の滑車が滑り降りてきて合体。
「ピタゴラスイッチ」の文字列が完成。
同時に『ピタゴラスイッチ』の字幕が登場……
私は呆然とするばかり。
『ピタゴラスイッチ』の字幕が消えると、『サンダーバード』の字幕が現われ、勇壮なサンダーバード・マーチが流れましたが……
私の頭には、『ピタゴラスイッチ』の字幕が焼きついて離れない。
ビデオが予約録画時間の30秒前からスタートするために、『サンダーバード』の前に放送する『ピタゴラスイッチ』のエンディングが一緒に録画されてしまったらしい……
その後も、『ピタゴラスイッチ』『サンダーバード』セットのビデオを、何度も見るはめになり、そのたびに呆然としていました。
『サンダーバード』放映終了後も、時々、テレビをつけると、変なペンギンの人形劇や四角い枠でできた犬のアニメ。
スーツを着た男性2人組が踊る奇妙な「アルゴリズム体操」。
黙々と動く産業用ロボットの映像などが写っていて……
なぜか、つい見とれてしまって……
おしまいに、例のビー玉の映像と『ピタゴラスイッチ』の字幕。
「しまった! ピタゴラだったのか!」と叫ぶ私……
それを何度も繰り返していて、『ピタゴラスイッチ』は、私にとって、非常に気になる番組だったのです。
つい先日、また偶然『ピタゴラスイッチ』を見てしまった後、ふと頭の中をよぎった思い。
「このまま、ピタゴラの正体がわからず、生涯を終えてしまっていいのだろうか?」……
そのとたん、猛烈に悔しくなった私は、『ピタゴラスイッチ』について、調べてみました。
まず、『ウィキペディア』(2007.2.24)によると、
『ピタゴラスイッチ』は2002年よりNHK教育テレビで放送開始。
テーマは「世界の現象、原理や特徴を楽しく紹介」。
第30回日本賞子ども番組の部で総理大臣賞受賞。
ミュンヘンの『プリ・ジュネス2004』で『6歳までのノンフィクション部門』最優秀賞受賞。
2006年には携帯サイト開設。
DVDブックも発売中。
……ほほう。人気あるんだ。
番組監修は佐藤雅彦と内野真澄。
佐藤雅彦は、東京芸術大学大学院映像研究科教授で慶應義塾大学環境情報学部特別招聘教授。
湖池屋の「ポリンキー」や「ドンタコス」、NECの「バザールでござーる」のCM、『だんご3兄弟』などを手がけた人。
なるほど。キャラクターが妙になつかしい感じがするのは、そのせいなのか。
現在は、新作が2週に一度、水曜の午前10時30分〜10時45分放映(翌週水曜は再放送)。
再放送が毎週火曜午前9時15分〜9時30分。
5分にダイジェストした『ピタゴラスイッチ・ミニ』が、毎週月〜金曜午前8時10分。
毎週月〜土曜午後5時45分に放映。
私が時々、突然出くわしては驚くのは、放送回数が多いせいなのですね。
以前、『ウィキペディアは百科事典?』で、私は『ウィキペディア』情報の正確さに不安を感じていると書きましたが、時事問題となると、やはりWeb百科の方が強い。
調べる対象の公式サイトと『ウィキペディア』、比較的信頼できそうな別の情報源を、Googleで調べて組み合わせると、正確性70%ほどの情報がつかめるように思います。
それにしても、調べてみると色々なことがわかりますなあ。
私が一番衝撃を受けたのが、オープニングとエンディングの「ピタゴラ装置コーナー」。
「ピタゴラ装置」の正式名称は「ルーブ・ゴールドバーグ・マシン」。
これを使って番組タイトルを完成させる……
ちなみに『はてな』には『ピタゴラ装置』項目があり、詳しいです。
ピタゴラ装置は毎回違うので感心していたら、2006年12月1日、「ピタゴラ装置」コーナーだけ集めた『ピタゴラ装置DVDブック1』が発売。
やっぱりファンがいるんだ。
ピタ(毛糸帽子をかぶったグレーのペンギン)とゴラ(バケツの帽子をかぶった黒いペンギン)が、百科おじさん(おじさんの顔をした百科事典)とテレビのジョン(テレビの形をした犬型ロボット)に世の中の仕組みを解説してもらう……
このメインの人形劇を、勝手に「ピングーモドキ」という失礼な名前で呼んでしまっていて、大変申し訳ない。
空手の型に似た奇妙な「アルゴリズムたいそう」をやっている2人組は、タレント「いつもここから」。
2人で行う「アルゴリズムたいそう」とは別に、「アルゴリズムたいそう」を2人以上で縦一列になって、輪唱のように1人ずつ動きをずらして行う「アルゴリズムこうしん」がある……
今まで、体操と行進の区別がついていなかったので、ちょっと反省。
ほかに、おとうさんが空箱に入った文字からはじまる動作をする「おとうさんスイッチ おじいちゃんも可」や、
四角いフレームできた透明な犬のアニメ「フレーミー」。
1本の長い線を折り曲げて色々なものを作る「ポキポキアニメ」。
ある施設の機械の起動スイッチを押し、何が起こるか観察する「きょうのスイッチ」。
作業用ロボットの紹介「きょうのロボット 」などなど……
大人の心も虜にする、奇妙な魅力のコーナーが盛りだくさん。
さて、最近の『ピタゴラスイッチ』はどうなのか……
2007年2月24日17時45分から放映の『ピタゴラスイッチ・ミニ』をHDDに録画してみました。
「オープニング・ピタゴラ装置」
「アルゴリズムたいそう」
「ぼてじん」
「なぞなぞうた・いたちのたぬき」
「エンディング・ピタゴラ装置」
コーナーを5分で放送する充実ぶり。
「アルゴリズムたいそう」は、あいかわらず、スーツを着た「いつもここから」の2人が、巨人の投手たちと一緒に、楽しそうに体操していました。
「ぼてじん」は、サイコロ形のキャラクター「ぼてじん」が、机の上に描かれたマス目を双六のように動き、サイコロ面に書かれたメッセージ「いぬてんです」「ぼくのともだち」などを披露。
「ワン」というメッセージだけの、小型サイコロ「いぬてん」はかわいい。
「なぞなぞうた・いたちのたぬき」は歌詞がなぞなぞ。
「いたちのたぬき、かにの蚊取り、さんまの間抜け……」と続く変なアニメつきの歌で、答えは「いち、に、さん」。……
うーむ。一瞬、歌の意味がわからなかった私って、ひょっとして、かなり馬鹿なんじゃないか。
なんだか心配になってきましたが、この奇妙な番組『ピタゴラスイッチ』を見て育った子供が、健やかな理系の人になってくれることを祈ります。
ラベル:ウィキペディア
わたしの最初のピタゴラスイッチとの出会いは、なぜか着メロでした。
知人の携帯から流れるピタゴラスイッチのかわいい音色のとりこになりました。
それから子どもたちに聞いてようやく、NHKの子ども番組だったと知ることになりますが、わたしも最初にあのピタゴラ装置を見たときには思わず見入り、最後には拍手してしまいました。
大人でも楽しめる番組だと思います。
私もこの番組の不思議に見とれてしまいました(笑)
私が見たのは深夜枠…ちょっと前だから時間が違うのかな?子供向けとは思わなかったです。
アルゴリズム体操はたまに「ゆるナビ」でもやってます。
この番組も不思議な構成になってますよ。
NHKは不思議な番組が多くて、バラエティより楽しめたりする。