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2013年04月09日

手帳用シャープペンの行方

たまたま立ち寄った文具店で、深みのある紺や暗い赤、深い緑などのシックで美しい色のシャープペンが、きれいにディスプレーされていました。
 
 
……ふうん。やっぱり大人用の商品は人気なんだなあ。

この商品、コクヨ「鉛筆シャープ」は、テレビ朝日『お願い!ランキングGOLD』の文房具ランキングで筆記具部門7位。
確かに使いやすいシャープペンです。

「鉛筆シャープ」の芯は0.9mmと1.3mm。
あえて太い芯を使うことで、シャープペンにまつわる「書き味が硬い」「芯がポキポキ折れる」などの不快感をなくすことに成功しています。
 
実は、一昨年の『日経ビジネスアソシエ』の手帳特集の付録「手帳用シャープペンシル」が、「鉛筆シャープ」の前身にあたる小学生向けの商品、「キャンパスジュニアペンシル」を、『アソシエ』のオリジナルデザインにしたものでした。

これを70歳の母に譲ったら、「なかなか具合がいいね。最近筆圧が不安定で、メモとかするのに鉛筆一辺倒なんやけど。鉛筆は芯が折れると削らんとあかんから、面倒やってん」と大喜び。

私は鉛筆を削る時に軽い気分転換ができるので、三菱鉛筆「ユニ硬筆書写用6B」を愛用していますが、「鉛筆は使いやすいが、いちいち削るのが面倒」という人が多数派でしょう。

……コクヨもシニア向けのシャープペン作ればいいのになあ。

と思っていたら、ちゃんと「キャンパスジュニアペンシル」と同じ構造で、大人向けの色合いの「鉛筆シャープ」を出してきましたね。

コクヨの強みは運営する通販サイト『カウネット』で、ユーザーにアンケート調査できること。
その結果を生かすことで、ユーザーのニーズに合った商品を作り出せるわけです。
今は各メーカーが自社サイトでユーザーを募っていますが、コクヨほどの規模でアンケート調査ができるところは、まだそれほどないようです。

『コクヨS&T株式会社』によると、「鉛筆シャープ」の軸は滑りにくく柔らかなエラストマー樹脂。
ダークブルー、ワインレッド(0.9mm芯)、黒、ダークグリーン(1.3mm芯)の定番色の他に、ライトブルー、ライトグリーン、ピンク(0.9mm芯)と青、赤、黄(1.3mm芯)の限定色も発売。

ノック部分は「キャンパスジュニアペンシル」と同じで、使用時には外れない安全設計。
おすすめの用途は「イラストを描く、マークシートの塗りつぶし、クロスワードパズルの書き込み」。
シニア向けというよりも、学生や社会人や主婦など幅広い年代層を対称にしているようです。

ちなみに、内閣府の『平成24年度版高齢社会白書』によると、平成13年現在、高齢者は日本の人口の25.1%。
今後ますます高齢者数は増え、文具業界が販売ターゲットにしている学生や若者の数は減ります。

高齢者の数が増えるのですから、加齢で視力や握力の衰えた人でも使いやすい文具が必要になってくるでしょう。

それに新学習指導要領でも、児童生徒が高齢社会の課題や高齢者に対する理解を深めるために、小中高校でボランティアや高齢者の交流活動を推進していくそうなので、児童や生徒、高齢者が一緒に使える文具、誰にとっても使いやすい「ユニバーサルデザイン」は、今後の文具業界の重要なキーワードになってくるような気がします。
posted by ゆか at 17:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 文具コラム | 更新情報をチェックする
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