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2013年04月20日

岩間の太刀(後編) 岩間と武産

「木刀、みんなで先生に贈ったのと同じものを、ネットで探そうと思ってます」


「通販で買うつもりなのかい? 店で振ってみた方がいいよ」

年配の有段者は、不安そうな顔をしました。

「それに、岩間型の木刀は高いよ。あれは道場割引で4000円だったけど、本来は5000円クラスの木刀だよ」
「5000円? 意外に安いですね」

よい武道具は高い。
居合で使われる真剣や、剣道防具一式が軽く100万円超えることもあるのです。
それに比べたら1本5000円の木刀は安い。

「2000円ぐらいの普通の木刀は、作りが悪いんじゃないですか?」

「そりゃ、2000円ぐらいだと、当たりはずれが激しいよ。ひどい時には2センチぐらい重心がズレてることがある。でも、うまく当たりの木刀を見つけられたら安くあがる。5000円クラスだと、大体重心が揃ってるけど、まれに数ミリ程度ズレてる時がある。そんな時、自分で削って調整しなきゃいけない。万が一はずれだった時、後が大変だよ。通販は」

彼は溜息をつきました。

木刀の重心の位置が手元に近いか切っ先に近いか、左右のバランスが取れてるかで、振り心地が全然違ってくるものらしいですが、そこはサンドペーパーで調整するしかないか。

彼の言う通り、大阪や京都の武道具店に行って、実際に木刀を振って選ぶのがベストなのはわかっているけど。
忙しくて、その時間がとれない。今回はネットで探そう。

合気道用品専門店『星道ショップ』で「岩間流大刀」を見つけました。

「岩間流大刀」とは、合気道開祖植芝盛平翁の高弟で、開祖の杖と剣の型を継承した故齋藤守弘師範の岩間道場で使われている木刀。
峰形状は「平峰」、柄頭形状は「平頭」、切っ先の形状は「岩間流(先を切り落とされた形)」、剣道用木刀のような鍔を固定するための溝はありません。
形状は「ちょっと反った棒」。

『非常に丈夫で、かつ重い木刀で、手の内、素振の練習に最適です。切先まで太くなっているため、バランスが一般の木刀と大きく異なり、合気道の技の練習に最適な木刀です。安全の為、切先が切り落とされた形にしてあるため、万が一、相手を突いてしまっても大きなケガになりません』

『星道ショップ』には、そんな解説があります。

「合気道の技の練習に最適な木刀」……なんて魅力的な響きでしょう。

ちなみに、私が所属道場で見た「切っ先のついた木刀」は、スタンダードな「普及型(剣峯・平丸頭・大切先)」と呼ばれる木刀だったようです。

しかし、やっぱり、ここは「岩間流大刀」だな。

……発注しようとした時、この刀とは別に「武産大刀」があることに気づきました。
見た目はほとんど同じようですが……

『武産大刀は、岩間流とほとんど同じ仕様ですが、少し短めで、剣峰が丸くなっています。その昔、齋藤守弘先生が使っていた木刀だと言われています。現在では、岩間流木刀が一番使用されています』

確かに、斎藤守弘師範の著書『合気道 剣・杖・体術の理合 第一巻(港リサーチ)』の写真でも、切っ先のない木刀が写っています。

……どうしよう。

サイトの商品説明によると、「武産大刀」の方が「岩間流大刀」より若干重い。
長さは短いけど太いようです。

今稽古で使っていて、「ちょっと物足りないな」と思ってるのが、「白樫・普及型」で600g。
「白樫・岩間流大刀」が730g。
「白樫・武産大刀」が780g。

……どうかなあ。「武産大刀」の方が本格派なんだろうけど、木刀購入初心者にとっては、その重さは扱いかねるものかもしれない。

「今の自分にとって、「ちょっと重いかな」と思う木刀選べよ。重すぎると肩や手首痛める」という武道13段の夫のアドバイスを思い出しました。

岩間の方が軽いから、今回は、そっちにしようかな……先生の刀は、どっちだったんだろう?
稽古の時に、先生の木刀の切っ先を写真に撮らせてもらいました。

「これと同じのを買うんですか。振った時、腹にズシリとくる感じがいいですよね」

にこにこしながら先生は言いました。

先生の木刀の写真と、『星道ショップ』載っている「岩間流大刀」と「武産大刀」の切っ先の写真とを比較してみると、先生の木刀は「岩間流大刀」の方。

よし、これに決まり。

4月初めに『星道ショップ』で、「白樫・岩間流大刀」を発注しました。
銘はハンドルネームの「科戸ノ風」、紺色の刀袋も一緒に注文。

職人の手作り品なので、完成に3週間ほどかかるとのこと。
現在、商品の到着待ちです。

いずれ2本目、3本目と木刀を買うことになるでしょうが、まずは「岩間の太刀」。
出来上がりが楽しみです。
ラベル:合気道
posted by ゆか at 10:29| Comment(1) | TrackBack(0) | 武道系コラム | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ホームセンターにいきますと、いろんな長さ、太さの棒が売られていますよ。クワの柄ですね。木刀の代役として使えるかもしれません。以前世話になった金物屋さんは
「輸入物の柄はすぐ折れるし、弾力がなく使いにくい。国産の柄をおすすめします」
と言っていました。それから、西村ジョイというホームセンターではさまざまな廃材を売っていまして。なかには、振り回すのに適したものも混ざっていました。

素人考えですが、大昔の武人も、本格的な木刀が手に入らないときはふつうの棒で代用していたのではないでしょうか。
Posted by 摂津 at 2013年05月08日 00:21
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