それは私です。
というと身もふたもないが、昔から「空気読まない人」と呼ばれている。
この本の著者はアメリカ在住のジャーナリストで、ブリストン日本語学校高等部主任。
アメリカ人も「空気が読めない」ことで悩んでいるとは意外な感じがするが、「空気」とは、言葉で表現できない何かを居合わせた人が共有している状態だから、「空気を読める」方が得なのは確かだ。
この本では「上から目線」と「空気が読めない」の二つの条件から「場違いな人」にならないコツを解説している。
まず「上から目線」は「価値観の押しつけ」から起こる。
そういえば、私は「空気読めない人ね」と言われることはあっても、「上から目線の人だ」と非難されたことがないな。
重症「場違いな人」じゃないらしいので、ちょっと安心。
でも、「空気を読む」は時々失敗する。
仲間内で談笑している輪の中に入るタイミングがつかめず、おとなしく傍観者になっていることが多い。
この本によると、私は「空気を読むのが苦手なタイプ」ではなく「空気に乗るのが苦手なタイプ」だ。
こういう場合は、談笑している仲間の中で、比較的親しい人に「何があったの」と小声で聞いて、話の輪に入るといいらしい。
なるほど。
ただし、「あの人はああいうキャラ」というものが確立していると、「空気の読めない人」は、「空気を読まないこと」を許される。
行き詰まった空気を壊したり、混乱した問題を整理するのに役立つからだそうだ。
そういえば、私が物書きだと相手が知っている場合、「空気の読めない人」と後ろ指さされることはない。
最近では「このままではいけないと思うのだが、何がどう問題になっているのかがわからない。あなたのご意見をお聞かせください」と頼まれることすらあって、とりあえずの解決策を提案して喜ばれたりすることも多い。
「空気になじむ」「空気を壊す」を自在にやれる人になりたいものだ。
『場違いな人』 冷泉彰彦 著 大和書房
ラベル:コンプレックス
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