4月半ばに発売された『STATIONERY MAGAZINE009』。
Amazonの書籍紹介欄の目次のビューをながめて、私は溜息をつきました。
特集は『今すぐ行きたい!新しい文具店』『おすすめ文具店のいまこれ!アイテム』『旬!な文房具 ぜんぶ教えます』……
これやったら、他の文具雑誌の特集と変わらへんがな。
文具雑誌の老舗なんだから、もうちょっとなんとかしてほしい。
その中で気になった特集が一つありました。
『ラジカルな手帳選び』。
Twitterの文具フォロワーの『日本手帖の会公式アカウント』から、「日本手帖の会」が東京と横浜で行った「手帳100冊!書き比べ総選挙!!」の結果が掲載される情報が入っていたので。
この「日本手帖の会」の発足は2010年。
2011年には横浜市の市民活動団体登録。
横浜市民を対象に会員の持つ手帳や文具の知識や技術を還元するために、定期的に講座を開催……
手帳愛好家の集いを市民団体にするとは。
さすがは横浜市。進んでるなあ。
「日本手帖の会」書記の木の葉燃朗さんの「日本手帖の会 活動報告」PDFによると、
ベストテンは……。
第1位 1日1ページ、罫線代わりにドットが印刷されていて、使い方は自由。
第21回日本文具大賞デザイン部門グランプリ、グッドデザイン賞を受賞した「EDIT(マークス)」。
第2位 100円ショップダイソーが販売しているモレスキン風の手帳。
通称「ダイスキン手帳」こと「2013 Diary(大創産業)」。
第3位 ページをスライドさせて常に2週間のスケジュールを見ることのできる「スライド手帳(あたぼう)」。
第4位 定番「キャンパスダイヤリー(コクヨS&T)」。
第5位は3商品。
自由度が高い「ジブン手帳(コクヨS&T)」。
上半分がカレンダー型月間スケジュール欄、下半分が週間スケジュール欄の「ツイン手帳(学研ステイフル)」。
たっぷり書き込める「ほぼ日手帳(東京糸井重里事務所)」。
第8位 日付記入式でiPadと同じサイズ。
2週間分のスケジュールが1枚のシートに書ける「y−Pad3(朝日新聞出版)」 。
第9位も3商品。
『趣味の文具箱』『STATIONERY MAGAZINE』を発行する竢o版社が、紙やフォントや色使いにこだわった「ESダイアリ−」。
「手帳大賞」商品企画部門最優秀企画賞受賞作を商品化、バーティカル式の週間ページに余白をたっぷりつけた「T’フリーダイアリー(高橋書店)」。
調味料メーカーの「味の素」が、1978年に働く女性向けに作った販促用手帳「赤い手帳 (日本ビジネスプラン/味の素)」
手帳愛好家が投票した上位10位には、「能率手帳」「モレスキン」「クオバディス」「ファイロファックス」「フランクリン・プランナー」など、大手文具メーカーの有名手帳が勢ぞろいすると予想していたんですが、この結果は意外でした。
手帳ユーザーの趣味が高じて誕生した手帳、「スライド手帳」「ジブン手帳」「y−Pad3」。
カレンダー欄と月間スケジュール欄、年間スケジュールにアドレスとメモ帳の別冊、巻末には暮らしに役立つ情報を載せた、いかにも昔の販促手帳然とした「赤い手帳」が上位に出てきたのは面白い。
このランキング結果を総括すると、手帳愛好家が考える「よい手帳の条件」とは「自由にたくさん書き込める」「2週間分のスケジュールを一目で見渡せる」。
これを踏まえて、7月からはじまる来年の手帳シーズンの手帳選びに備えるのも悪くないと思いますよ。
ラベル:手帳