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2013年07月20日

『ウルトラマンが泣いている』

「最近のウルトラマンは大味やなあ。初代やセブンの方がよかった」 


録画した『新ウルトラマン列伝』を見ながら「ウルトラマン世代」の夫は嘆く。

私が最初に見たのは『帰ってきたウルトラマン』だったが、ウルトラマンシリーズのストーリーのドラマ性は年々薄れ、『ウルトラマン80』を最後に、テレビ放映されなくなった。

甥につき合わされて、久しぶりに見たのが『ウルトラマンティガ』『ウルトラマンダイナ』などの「平成ウルトラマンシリーズ」。
だが、CGを多用した玩具を売るためのような番組構成に違和感があった。

その後ウルトラマンとは縁がない。

この本の著者は円谷プロの6代目社長。
円谷プロの創業者の円谷英二氏の孫にあたる。
「ウルトラマンの変質」を製作者側から描いたのが、この本だ。 

「特撮の神様」こと円谷英二氏が、「ウルトラマンシリーズ」の第一作目『ウルトラQ』を製作したのが1966年。
しかし、徹底的にリアリティを追求した特撮技術には、TBSの製作予算の倍の経費がかかり、番組を作るほど大きな赤字を抱えた。

1970年台初め、仕事がなく、親会社の東宝のリストラで優秀なスタッフを失い、財政破綻寸前の円谷プロを救ったのは、怪獣ブームで爆発的に売れたキャラクターグッズの著作権料。
莫大なキャラクターの著作権料収入は円谷プロの財政を支えたが、番組そのものは視聴率低下が続き、製作予算を支払うTBSとの確執の末、ウルトラマンは放映されなくなった。

平成に入って、キャラクターグッズ商法の旨みに目をつけたバンダイがスポンサーになり、ウルトラマンシリーズは復活したが、めまぐるしく変わる番組コンセプト、露骨な玩具を売るための番組構成は視聴者に嫌われた。

視聴率はふるわず、玩具も売れず、中国進出にも失敗し、ついに円谷プロは広告コンテンツ制作会社に買収され、創業者一族は全員退任……。

「ウルトラマンの変質」についての長年の謎は解けたが、とてもさびしい思いがした。

『ウルトラマンが泣いている』 円谷英明 著 講談社現代新書
ラベル:ウルトラマン
posted by ゆか at 09:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 本読みコラム | 更新情報をチェックする
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