5年目の財布(コムサ・デ・モード 味岡製)の補修用塗料を見つけた後、ふと目に止まったもの……
クラウゼ社のシステム手帳リング金具。
金具単体だけで924円。
ドイツ・クラウゼ社の手帳用金具は、堅牢なことで有名。
私のサブ・システム手帳「LACEE」も、クラウゼの金具がついていて使いやすい。
安いシステム手帳の金具は、やっぱり安物で、綴じる時に堅くて開閉しにくいものが多いので、皆さん気をつけましょう。
さて、『「働く女性の手帳」は謎だらけ』でもご紹介しましたが、システム手帳は、紙の中身「手帳リフィル」と、外側の表紙と金具部分「手帳カバー」から構成されています。
ファイロファックスやらダ・ヴィンチやら、トリムやらブレイリオやら、アシュフォードやら……巷で大騒ぎしているのは、「手帳のガワ」、つまり「手帳カバー」部分のこと。
実は、システム手帳カバーの自作は、意外と簡単。
極端な話、お気に入りのブックカバーに、手帳金具を取りつけただけで、「システム手帳一丁あがり!」になるわけです。
大抵の革工芸の本には「手帳用バインダーの作り方」が載っているし、バインダー・キットも出回っています。
リフィル自作に飽き足らなくなったシステム手帳愛好家が、カバー自作に手を出すことが、意外と多いのかもしれません。
革工芸は、蒔絵や彫金などと違って、手順さえ踏めば、素人でも、そこそこのものを作ることができるのですよ。
なお、東急ハンズには、DIY用リーフレット『HANDS MEMO』が置かれています。
図が多く、説明もわかりやすい。
『篆刻入門』
『「焦げ」の対策』
『基本的なツボ』
『防水時計の分類』
『エッセンシャルオイルの使用例・効果一覧表』
『カーテンのはかり方』
『上手な塗装の十箇条』
『サイズ表(紙の大きさ)』
『各工具の機能』など、その分野は幅広い。
とっておくと便利。
その『HANDS MEMO』中に『リング金具の取り付け方』が……ということは、DIYの世界では、システム手帳自作や金具の交換が、広く行われているのでしょうか。
確かに、文具好きな人は、文具を選ぶ時、断固としたポリシーを発揮することが多い。
『電卓マニアたち?』で、ちょっとふれましたが、文具愛好家は、「自分の理想の電卓を求めて、次々に電卓を買う」妹のようなタイプの人。
そして、「資料を集め倒し、現物を探しまくって、たった一つの電卓を選び、寿命になるまで何年も使い続ける」私のようなタイプに分かれるようです。
……どちらも、凝り性であることには変わりありませんね。
既製のシステム手帳を真剣に選んでいるうちに、それに飽き足らなくなって、手帳リフィルの自作、手帳カバーのオーダーメイドへと進み……
究極の形、オリジナル手帳カバー自作へと、行き着いてしまう人もいるのでしょう。
手帳カバーを作る工程は、
「型紙通りに革を切る」
「手帳の各パーツを、ボンドで仮どめ」
「革に筋をつけ、目打ちなどで等間隔に穴をあける」
「金具を取りつける」
「縫う」
「完成」
……作り方そのものは、高度な技術が必要なわけではないのですが、この「「等間隔に穴をあける」と「縫う」が、すごく面倒くさいので、私はやりません。
すでに廃盤らしい「ブルーのLACEE」と「コバルトブルーのファイロファックス」を、時々補修しながら、あと10年ほど使うのが、分相応な気がするので。
でも、自分で吟味した最上級の革を、好みの色に染め、じっくりと時間をかけて、自分で縫う。
世界で唯一つの自分の手帳の完成……
究極の贅沢で、すこしうらやましいですね。
ラベル:システム手帳