「レアメタル」……独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構が定義した、「存在が稀な金属、抽出が経済的・技術的に難しい金属」の31鉱種・47種類の希少金属。
元素記号つきの一覧表をみると、プラチナはレアメタルだが、金はレアメタルではないらしい。
レアメタルは、ステンレスの材料のニッケル。
携帯電話、パソコンのリチウムイオン電池の材料コバルト。
デジカメのレンズの素材タンタルなどをはじめ、半導体、コンデンサー、光ファイバーなどの素材として、ハイテク産業にはなくてはならないもの。
日本は世界トップの加工技術を持っているが、材料のレアメタルを輸入に頼る不安定な立場。
例えば、液晶画面に必要なインジウムは、中国が世界シェア80%。
だが、インジウムを精錬する時に出るカドミウムが河川に流入。
深刻な環境汚染を引き起こし、やむなく閉鎖する精錬工場が続出。
生産量が安定せず、輸入する側は苦労する。
そして今、中国、ロシアなどの資源国は、自国の経済発展でレアメタルが必要になり、資源の輸出を抑制する方向に向かい始めている。
ますます脅かされる日本のハイテク産業。
著者は、レアメタル専門商社アドバンストマテリアルジャパン社長。
世界各国の資源政策、レアメタル取引相場の仕組みなども、素人にもわかりやすく解説している。
日本の「国策・国益を守る」視点の外交政策は、世界各国と比べて、かなり遅れているようだ。
日本の産業に絶対に必要なレアメタル。
その安定供給のために、海外鉱山開発への積極的投資。
国内鉱山の再開発。
備蓄。
代替材料の研究。
リサイクル技術開発を国策として推進すべきと説く。
著者は『現代の山師』を自称しているが、立派な『国士』だと私は思う。
『レアメタル資源争奪戦』 中村繁夫 著 日刊工業新聞社
ラベル:レアメタル
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