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2013年09月17日

想念の力(前編)イメージの罠

「稽古で考えちゃって体が動かなくなる」
「自分は合気道をあまりよく知りませんが、例えば何を考えてますか?」


Twitter上でやりとりです。
養神館合気道の有段者の方のつぶやきに対するキックボクサーの質問。

……その気持ち、よくわかります。両方の。

合気道では「技をかける時に自分の動きをイメージすること」という指導を受けます。
そのため、「自分のイメージ通りに動けるか」は、技の善し悪しを判断する重要な指標。
周りから「よくできていた」と言われても、本人が自分の動きに納得していなければ「失敗」なんです。

その点、打撃系の武道や格闘技は、関節技系の合気道より動きが早い。
K−1の中継で空手対キックボクシングの試合を見ていても、両方とも動きが早くて「相手が突いてきたら、こう防ぐ」とか「今のストレートは会心の軌跡だった」とか、考えている間もなくパンチやキックの応酬が続きます。

「自分のイメージ通りに動ければ正解」と考える余裕はないでしょう。
自分のイメージ通りの動きができても、試合に負ければおしまいですから。

二人とも私のフォロワーだったので、キックボクサーに返事のツイートしました。

「「今の技は重心が30度ズレて失敗」とか、「この人は右肩を痛めてるようだから、ゆっくり投げよう」とかですね。合気道は空手より動きが遅くて、その余裕がある」
「素晴らしい回答、ありがとうございます。この場合もそうですが、技なり動作なりをいちいち考えて、途中で止めたりしませんよね。とりあえず一つの流れはやり切る訳で、そこで動きを止めないと思うんです」

「○○さんは、「自分のイメージ通りに動けない」の意味で言われたんじゃないでしょうか」
「そうだと思います。「どう」イメージどおりに動けないのか、まではこちらもイメージできてませんが」

それはキックボクサーの彼にも、合気道家の私にもわからない。

合気道は、稽古の段階によって動きの合格点が違います。
例えば「正面打ち入り身投げ」という投げ技について、白帯の5級でできなければならない動きと、茶帯の上級者ができなければならない動きと、黒帯の有段者ができる動きは違う。

その上、黒帯になると「自分はこういう技のかけ方をしたい」というような、「自分なりの合気道観」ができてきて、それを追求するために稽古をしていくことになります。
そうなると「自分の納得いく動きができない」というのは、ものすごくつらいことになる。

このツイートを見る限りでは、○○さんが、どの技の、どういう動きについて悩んでおられるのかは、わからない。
ただ、イメージ通りに動けずに悩んでおられることはわかる。

でも、その反面「そこまでこだわらんでも」と、心の片隅で思ったりします。

例えば、私は合気道歴10年以上になりますが、その間何度か、ひったくりの被害を未然に防いでいます。
後ろから迫るバイクの気配を事前に察知して、歩道上に自転車を移動させ、荷物を奪えないようにして、ガードレールを盾にする形で待ち受ける……。
相手は悔しそうに何度も振り向きながら、猛スピードで走り去っていきます。

被害を未然に防いでるので、この方法が護身術的には正解なんですが。
「鞄を奪いにきた相手の手首をつかみ、呼吸投げで投げ飛ばして制圧する」方が、合気道的には理想なので、毎回、合気道の技を使うことを忘れる自分が情けない。
間合いを読み間違えれば大けがをしかねないですから、無難な処置ではあるのだけれども。

試合のように、ある程度、対戦相手の得意技や癖の見当がついているならまだしも、突然力量のわからぬ相手と対峙する実戦では、「自分のイメージ通りの動き」にこだわるのは危険だと思います。

それに「自分のイメージ通りの動き」にたどり着く方法が、今、自分が考えている稽古の仕方だけではない場合があるのです。

私は昔から対人恐怖症があって、「入り身(相手の側面、死角に入る動き)」が苦手。
しかし、合気道の技の基本なので、「できない」ではすまされない。
「相手に自分の腹をぶつけるような心持ちで」「手のない猿のように体ごと近づく」「相手の腸をつかみにいく」など、「入り身のイメージ」について、いろいろなアドバイスをいただいたのに、どうしてもうまくいかない。
ところが……

……次回に続く……
ラベル:合気道
posted by ゆか at 11:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 武道系コラム | 更新情報をチェックする
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