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2013年11月19日

インフラ・ボールペン

さて、今年もグッドデザイン賞が発表されましたね。

『グッドデザイン賞』公式サイトによると、「グローバルデザイン2013」が「Googleマップ」。
出かける時は、必ずお世話になっている便利なもの。

残念ながら「グッドデザイン大賞」は該当なしですが、「グッドデザイン金賞」の「武雄市図書館・歴史博物館」や、「地域づくりデザイン賞」の「くまモン」、「復興デザイン賞」の「東日本大震災デジタルアーカイブ」など、地域の町おこしプロジェクトのようなものが目立つのが、今年の特徴。

従来の「海外に向けて優れたプロダクトデザインを発信する」路線から、「足元にある日本の良さを掘り起こす」路線へ転換したようですね。

さて、グッドデザイン賞で楽しみなのが、文具が多く受賞する「ロングライフデザイン賞」。
今年の「ロングライフデザイン賞」25点のうち、文具の受賞は5点。

1948年発売、ニチバン株式会社のセロハン粘着テープ 「セロテープR 大巻 箱入り」。
住友スリーエム株式会社の粘着メモ・ふせん「 ポスト・イットRノート」。
1986年に発売されたシヤチハタ株式会社のネーム印 「ネーム9」。
オルファ株式会社の左利き専用カッターナイフ 「オルファカッター レフティL型」。

うーむ。なんか地味。
今年は「文具」というより「事務用品」が多いわ。

「あんなにジェットストリームやフリクションが流行ってるのに、なんで受賞してへんねん?」と思われた方もおられるでしょうが。

「ロングライフデザイン賞」の応募条件は、「グッドデザイン賞を10年以上前に受賞した商品などのデザイン」。
「発売以来10年以上継続的に提供され、かつユーザーや生活者の支持を得ていると思われる商品などのデザイン」。
三菱鉛筆「ジェットストリーム」やパイロット「フリクション」は、まだ発売して10年たっていないのですよ。
いずれ、両方とも「ロングライフデザイン賞」を受賞することは間違いないでしょうが。

ところで、例年より文具の受賞が少ない今年の「ロングライフデザイン賞」ですが、たった一つボールペンが選ばれています。

パイロットの油性ボールペン 「スーパーS」。

「聞いたことない商品だなあ」と思いつつ、写真をよく見ると……

ものすごく地味なボールペン。
でも、なんか見覚えあるなあ。

半透明なプラスチックの軸、滑り止めの細かい溝がついたグリップ。
金属の口金。
黒のキャップ。

思い出した。
役所の備えつけの安物のボールペンだ。

解説によると「スーパーS」は1973年発売。

しかし、このボールペンの何が「スーパー」なのかがわからん。

キャップはクリップつき。
芯径は0.7mm。
インキ色は黒・赤・青の3色を展開。
レフィル交換可能。

……どう考えても普通のボールペンやんか。

講評が載っていました。

「身体・人間」面からの評価……『細かいグリップ溝は握りを安定させ、確実な筆記を可能にする。本体はインキ色と同色なので、筆記色を間違えることはない』
「生活」面からの評価……『(機能、デザイン、品質、価格等)必要十分な本製品は、幅広い場面で、多くのユーザーに使える製品となっている』

「産業」面での評価……『ボールペンの基本形として、後発品の礎となっている。また、長く継続生産、販売できる事で、携わる関係企業にも安定利益をもたらす』
「社会・環境」面からの評価……『本体はリサイクル樹脂を使用。芯交換が可能なので、繰り返し使う事ができる』

……うーむ。そう言われると、なんだか「スーパー」な気もしてきた。

『株式会社パイロットコーポレーション』によると、この高機能ボールペンの価格は1本84円。
値段が「スーパー」だったのか。
恐れ入りました。

本体は黒・赤・青なのに、なぜかインキ色が黒・赤・青・緑なのは不可解ですが、これからも「スーパーS」は、お役所の備えつけボールペンとして活躍し、地味に社会を支える「インフラ・ボールペン」として使い続けられていくことでしょう。
posted by ゆか at 15:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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