昨年は大変お世話になりました。
本年もよろしくお願いいたします。
最近、スーパーやコンビニでも見かける「消せるボールペン」ことパイロットの「フリクション」。
紙をこする摩擦熱でインキの色が消える「フリクションインキ」搭載で大人気のボールペン。
三菱鉛筆「ジェットストリーム」とボールペン界の覇権を争うのは、結局「フリクション」なのかと思いつつ『株式会社パイロットコーポレーション』サイトをのぞくと、トップページに妙なことが書いてある。
『「フリクションいろえんぴつ(木軸タイプ/品番:PF-10)」の発売に伴い、「フリクションいろえんぴつ(ボールペンタイプ/品番:LFP-13F)」の製品名を変更いたしました』
……???
そこで「元フリクションいろえんぴつ」、「フリクションボールえんぴつ」の商品紹介ページを見ると、この商品は0.7mm芯、24色の細字ゲルインキボールペン。
どう見ても「消去用ラバーがキャップのついたボールペン」にしか見えないな。
『この商品は鉛筆ではありません』と但し書きがあるところをみると、パイロットも「これはボールペンです」と認めてるわけだ。
一方「新フリクションいろえんぴつ」は2013年12月10日発売。
色鉛筆の後部に消去用ラバーがついた形状。
芯の色は12色。
鉛筆のように削って使います。
「フリクションシリーズ」は、色鉛筆とボールペンの他にサインペンや蛍光ペンがあるから、「フリクション万年筆」が登場したら、オフィスで使うすべての筆記具が「消せる」ことになりますね。
それにしても、「元フリクションいろえんぴつ」って何者だったんだろう?
公式サイトに「元フリクションいろえんぴつ」の発売時のプレスリリースはありませんでしたが、『BIZ.誠』の『仕事耕具』のニュース記事が残っていました。
発売は2008年11月12日。
ネーミングの理由は『色鉛筆のようにイラストが描ける』。
……うーん。そうくるか。
5年間、このボールペンを「これは色鉛筆である」と主張し続けていたパイロットは、ついに「消せる色鉛筆」開発に成功。
『当社では、色鉛筆市場に新規参入すべく『フリクションいろえんぴつ』を企画・開発しました。未就学児をメインターゲットとし、ぬり絵やお絵描きで使っていただくことで、フリクションユーザーの拡大と"フリクション・ファン"の育成を図る戦略商品と位置付けました』
……プレスリリースでは壮大な計画が語られていますけど。
商品のターゲットが「未就学児」って大丈夫かな。
私には子どもがいませんが、自宅療養中、妹の子どもの保育園の送り迎えをしていたので、子どもの行動は想像がつきます。
注意書きの『証書類、宛名書きには使用できません』
『感熱紙など紙の種類によっては消去に不向きな場合があります』
……たぶんやらない。
『太陽の光に当たる場所や高温になる場所では使用、または保管しないでください。60℃以上になると芯が無色になります』
……このトラブルは起こる。
子どもは飽きっぽいから、日なたに色鉛筆を放置して、ゲームに夢中なったりしがちです。
『−10℃前後になると消去した筆跡が戻る場合があります』
……「冷凍庫に入れちゃダメ」と注意されたら、逆にやるかもしれない。
『紙以外の描画や筆記には使用しないでください』
……机や壁への落書きが大好きだから絶対にやる。
『色鉛筆の芯はやわらかいので、とがらせすぎると芯折れの原因となります。特にミニ削り器をご使用の際は、強く押し込まずまっすぐに差し込んで、ゆっくり削ってください』
『強い筆圧をかけたまま速いスピードで描くと摩擦熱で筆跡が薄くなる場合があります』
……このトラブルは必ず起きる。
子どもは何をするにしても力任せだから。
パイロットは、未就学児の保護者を「購買者」と想定しているのでしょうが、「買う人」と「使う人」が別人なので、いろんな意味で心配な新商品ですね。
よい商品なだけに惜しい。
ラベル:ボールペン