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2014年03月04日

「もう一歩前へ」の文具

先日開催された、関西の大手事務用品商社主催の展示会「第48回NIKKOフェア」で見かけた奇妙な商品。


「いびつに変形した白い大きな消しゴム」のような修正テープ。
トンボ鉛筆「モノエルゴ」。
トンボと人間工学の権威・金沢大学の柴田克之教授が共同開発したことで有名な「誰にでも使いやすい修正テープ」です。

「どうぞ、お試しください」

トンボの営業担当者に勧められて使ってみました。

普通の修正テープは、紙の面に対して立てた状態で使いますが、「モノエルゴ」は、横に寝かせた状態で使います。
親指を当てる部分が適度にくぼんでいるし、掌の凹凸にもなじむ。
他社の修正テープのように、途中でテープが紙面にくっつかなくなったり、思ったところでテープが切れなくなったりしない。
確実にテープを密着させるために、力を入れなくてもいい。
これは優れものだ。

『株式会社トンボ鉛筆』サイトによると、平成25年3月発売の「モノエルゴ」は、ドイツの2013年度レッドドットデザイン賞を受賞。
この 「誰もが使いやすい」形を追求した修正テープ「モノエルゴ」のデザインは、発砲スチールを人の手で削って作ったモデルを、3Dプリンターでリアルな形状や質感に再現したもの。
最新技術が投入されたんですね。

ただし、この商品、一つ難点があります。
私の手には少し大きいこと。
平均的な日本女性より手が一回り大きな私がそう思うのだから、女性が長時間使い続けるには、少ししんどい気がする。

エコマーク認定、グリーン購入方適合商品で、カートリッジの品揃えが充実しているところを見ると、トンボの方も、長時間使用を想定しているんじゃないかと思いますが。
女性向けのミニサイズがほしいですね。
その意味では、今のところ「モノエルゴ」は「エルゴノミクス」かもしれないけど 、「ユニバーサルデザイン」じゃないな。

「誰にでも使いやすいデザイン」というニュアンスで使われる言葉の「エルゴノミクス」と「ユニバーサルデザイン」。
実は微妙に意味が違うんですね。

『IT用語辞典 e−Wordsサイト』によると「エルゴノミクス」とは……

『人間の生理的・心理的な特徴をもとに、「人間にとっての使いやすさ」という観点から、機械などのあり方を研究する学問。「人間工学」と訳される。人間が扱いやすい装置の形状などを研究することで、疲れやストレスをなるべく感じずに人間が機械を扱えることを目的とする学問である』

一方、『Kotobank』サイトに載っている『ユニバーサルデザイン』の解説は……

『障害のある人の便利さ使いやすさという視点ではなく、障害の有無にかかわらず、すべての人にとって使いやすいようにはじめから意図してつくられた製品・情報・環境のデザインのこと』

ユニバーサルデザインの原則は7つ。
「誰でも公平に利用できる」
「使い方の自由度が高い」
「使用方法が簡単にわかる」
「必要な情報がすぐに理解できる」
「ミスや危険につながらないデザイン」
「無理のない姿勢で少ない力で楽に使用できる」
「使いやすい大きさ」。

「モノエルゴ」は右利き用の商品のみなので、現時点では「エルゴノミクス」かもしれないけど「ユニバーサルデザイン」じゃない商品です。
ちょっと大きめですが、楽に修正テープが引けるので、あともう一歩。

左利き用や女性向けの小さめの商品が登場して、「モノエルゴ」が、名実ともに「ユニバーサルデザイン」、「誰にでも使いやすい修正テープ」になることを期待しています。
ラベル:デザイン
posted by ゆか at 19:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 文具コラム | 更新情報をチェックする
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