また新型が出ましたね。
『株式会社パイロットコーポレーション』によると、3月10日に発売したのは、手帳や資料の書き込みに便利な0.5mmの極細の4色タイプ(黒・赤・青・緑)の「フリクションボール4」と「フリクションボール4 ウッド」。
ボディに細かいドット模様のついた「フリクションボール4」のカラーはブラック、ボルドー、ダークブルー、ブラウン、ホワイトの5色。
グリップ部分が木製、メタルパーツとの組み合わせのボディが美しい「フリクションボール4 ウッド」は、「ブラック」、「ブラウン」、「ダークグリーン」の3色。
「フリクションボール4」は軸の直径が13.8mm。
「フリクションボール4 ウッド」は14.2mmで、4色ボールペンとしては細い。
また技術革新が進んでいるのか。
めでたいことだと思っていたら……
『消せるボールペン、不正相次ぐ 使用禁止も』(2014年4月19日付 日本経済新聞 電子版)
『人気文具「消せるボールペン」の不正使用が問題になり、自治体などが対応に乗り出している。書いた文字をこすると摩擦熱で消える特長を悪用し、文書を偽造する例が相次いで発覚。自治体は行政書類が改ざんされる恐れがあるとして、職員に使用禁止を指示し始めた。メーカー側も「公式な書類で使うことは控えてほしい」としている』
履歴書に使われて問題になってたけど、ついに「使用禁止令」が出るとは。
川崎市では財務関連、名古屋市では出張書類などで「消せるボールペン」の使用が判明。
水増し請求などの不正はなかったとのこと。
たぶん、使った人は「ミスしたら、最初から書き直さなきゃならないから、紙がもったいない」と思ったんでしょうが。
お役所関係の書類は、訂正箇所を赤ペンの二重線で消し、訂正印を押すだけでOKになることが多いです。
行政が「消せるボールペン」に神経質になっているのは、車庫証明書の偽造(千葉県)や勤務管理表改ざんによる残業手当の不正受給(茨城県)などの犯罪が起きているから。
今回の川崎市と名古屋市の場合は「文字が薄い」ことから「消せるボールペン使用」が発覚していますが、このペーパーレスの時代に、いまだにお役所が紙の書類にこだわるのは、紙の文書の方が電子文書より改ざんが難しいからです。
「消せるボールペンの普及と悪用」は、一定期間文書を保管する義務がある日本中の企業や団体に衝撃を与えたでしょう。
「消せるボールペン使用禁止令」を出すところが増えるかもしれない。
パイロットは4月9日に、公式サイトのトップページで『消せる筆記具「フリクション」シリーズ使用上のお願い』として、『「フリクション」は消せる筆記具です。証書類・宛名書きにはお使いいただけません』という異例のメッセージを出しています。
ちなみに「証書」とは『一定の事実または権利義務関係を証明する文書。公正証書・私署証書,公文書・私文書などの類(大辞林 第三版)』。
行政や企業・団体の内部文書や申請・証明に使われる文書のほとんどが「証書」に該当しますが。
いくらパイロットが警告しても、ユーザーの方は「勤務状況報告書」や「出張旅費請求書」が「証書」だとは思ってないのでしょうね。
こうなると逆に「手紙や手帳、ノートやメモ等にのみご使用ください」とした方が、トラブルが減るかもしれません。
パイロットの「フリクション」だけでなく、三菱鉛筆の「シグノイレサブル」や「ファントム」、無印良品「こすって消せるニードルボールペン」など、各社から出ている「消せるボールペン」ですが、「禁止令」が広まると、メーカーも泣く泣く廃番にするかもしれない。
皆さん「消せるボールペン」の使い方、ルールを守りましょうね。
ラベル:ボールペン