秘書検定2級を持っているので、たぶん、ビジネス文書は失礼のない言葉で書いていると思うのだが。
話し言葉の方は自信がない。
この本の監修者は「話し方研究所」顧問。
「相手に好印象を与える言葉遣い」について書かれている。
「お願い」「感謝」「叱る」「断る」「意志を伝える」の5つのカテゴリに分類された「大人の失礼のない言い回し」と、その使用例が載っているのだが……読み進むにつれて不安になってきた。
聞きなれない表現「ご高承を得たく思います(そこをなんとかお願いしますよ)」では、相手に不審がられたり、「恐悦至極にございます(ありがとう存じます)」では、「何を時代劇みたいなことを」と呆れられたりするんじゃないか。
それに、声だけは大きな人に「元気いいな(うるさいよ)」と注意すると、本人は「ほめられた」と勘違いして、さらにうるさくなりしそうだし、屁理屈をいう人に「理論的だね(理屈っぽいぞ)」と遠まわしに指摘すると、理屈っぽさに磨きがかかったりしそうで怖い。
この本の「印象がよくなる言葉づかい」で、好印象どころか事態が悪化するような気がする。
そう感じるのは私が不惑を過ぎた年寄りだからで、今時のビジネス会話としては、これがスタンダードな表現なのか?
本を読むのを中断してコーヒーを淹れた後、しばらく考えてみた。
どうやら、この本には「ビジネス文書用表現」が「ビジネス会話用表現」より多く載っていて、しかも、文書用表現を会話で使うことを勧めているから、妙なことになっているらしい。
マニュアル通りに使わず、ある程度、相手の性格を把握してから、言葉を選んでコミュニケーションをとった方がよさそうだ。
しかし「冒頭に入れると好印象になるマジックフレーズ20」や、「上手に話す発声練習」「アイキャッチの仕方」「冠婚葬祭の席で気をつける言い方&フレーズ」など、よい情報も多い本だった。
『大人なら知っておきたいモノの言い方 サクッとノート』 櫻井弘 監修 永岡書店
ラベル:ビジネス
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