『孫子』からビジネスの秘訣を学ぶ本は多いが、タイトルの「超訳」が気になった。
「翻訳」には文法や単語を原文のまま翻訳する「直訳」や、原文の文法や単語にとらわれずに内容を重視する「意訳」があるが、「超訳」……最近流行の「超訳○○」本のように、原文とは全然違う内容の本だろうか。
著者は長年『老子』『論語』などの東洋思想を活かして、多くの企業や官公庁の経営コンサルティングをしてきた人だが。
例えば『孫子』の原文。
『一に曰く道、二に曰く天、三に曰く地、四に曰く将、五に曰く法』
「道」は「具体的な目標)」「天」は「時代」「地」は「活躍の場」「将」は「活躍するための必須能力」「法」は「鍛錬」のこと。
これが「超訳」になると……
『人生の勝者になるためには、「人生計画」のなかで自分が有利に戦える方法を考えることが「道・天・地・将・法』の五つの視点で、勝利のシュミレーションを描くべし』
『智将は務めて敵に食む』
超訳『自分にとっては不得意分野でも、それを得意とする人はいる。そういうエキスパートをうまく使えることも、自分の実力のうちである』
『凡そ軍は高きを好んで下(ひく)きを悪(にく)み、陽を貴んで陰を賤しみ、生を養いて実に処(お)る』
超訳『寒さで体温が奪われるようなところを避け、暖かいところで養生しなさい。心身が健康であることが、より良い人生を生きる基本なのだ』
訳として、それほどはずれていないような気がする。
『攻めて必ず取るは、其の守らざるところを攻むればなり。守りて必ず固きは、其の攻めざる所を守ればなり』
超訳『競争相手のいない、いても強敵ではない、というような市場に打って出れば、たやすくその市場を独占できる』
私は今後仕事のやり方を変えようと考えているものの、自分の「進みたい道」が正しいのかどうか不安になっていたのだが。
この本を読んで少し安心した。
巻末には『孫子』の書き下し文が載っているので、超訳と比較しながら読んでも面白いと思う。
『超訳・孫子の兵法 「最後に勝つ人の絶対ルール」』 田口佳史 著 三笠書房
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