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2014年08月16日

武と医(前編) 境界

「だいぶ首の筋肉は柔らかくなっとるけど、肩の筋肉はまだまだやな」


夫は私の肩を軽くもみながら言いました。

「仕事用の椅子を肘掛けつきのやつにしてから、だいぶマシになってるけど、時々左の首の筋がつるような気がする」
「お前は利き目、利き腕が左やから、どうしても左の首や肩に負担がかかりやすい。意識して左目を休ませるとか、右手を使うとか。もうちょっと工夫せんとあかんで」

叱りながらも、夫は私の肩のツボを刺激しながら肩をもんでくれました。
最近では「武道13段の男」というより「専属按摩師」状態の夫。

「俺は武道家で柔道整復師の資格がないから、ほんまは医療行為したらあかんねんで」
「そうかなあ。これって「子どもの肩たたきの高度なやつ」じゃないのかなあ」
「あほ。柔術を子どもの肩たたきと一緒にすな!」

空手4段剣道3断少林寺拳法3段大東流合気柔術2段柔道初段。
夫は真剣な顔で怒りました。

「だいたい最近のお前の立ち方はなっとらん! ちょっとそこへ立て!」

座っていたベッドから立ち上がると、いきなり夫は私の両肩を後ろからつかみました。

「まず、肩が前に寄り過ぎ」

両肩が後ろへ引っ張られ、「ゴキッ」と音がしましたが、痛いわけではありません。

「それに頭が前へ出過ぎ」

両手で頭をつかんで、若干宙へ持ち上げるようにして、後ろへ引きました。
再び「ゴキッ」と音がしましたが、これも痛くありません。
引かれた後は妙にすっきりした感じ。

「お前は頚椎や胸椎に分離すべり症持ってるから、たぶん、猫背になるのがしんどいんやろ。頭を前に突き出すような形で、無意識にパソコンとの距離を調整してたんやろな。歩く時も背筋まっすぐで頭だけやや下がるような変な癖ついとる。頭は重たいもんやから、その立ち方やったら肩や首に負担かかる。背骨を意識して常に肩の上に頭を乗せる。視線は3メートル先ぐらいで保つ。それで背中や肩の負担も減るやろ」

……うーむ。恐るべし。柔術。

柔術は「活殺自在」と呼ばれる武術。
相手を傷つける「殺法」と応急処置の「活法」が一対になっているのが特徴で、「活法」が接骨(ほねつぎ)や鍼灸などの整体の技術となり、「殺法」の技術が柔道や合気道になるわけですが。

柔術の知識が、どこから「医療」の分野になってしまうのか、その境界線がわからない。
柔術家には整体師を兼ねている人もいれば、整体師で人体の構造を調べているうちに柔術家になってしまうケースもあるので。
ただし……

「どんな武道家でも、ケガをせず、安全に稽古するためにも、人体の構造は知っておく必要があると思います。本来、骨の構造の勉強からはじまって、筋肉の構造、最後に勉強するのが経絡です。でも、島村さんの場合、早く持病の喘息と自律神経障害はなんとかしなければいけませんね。その部分の経絡だけ先に覚えて、その後、骨格や筋肉の勉強をはじめてください」

私に柔術の「殺法」と「活法」の経絡の取り方を教えてくださった、元大東流合気柔術家の有段者から、そんなアドバイスをいただいています。

実は敵にダメージを与える「殺法」も、健康によい「活法」も使う経絡は同じ。
取り方が違うだけで逆の結果になってしまう。恐ろしいものです。
今のところ、喘息に効く経絡「手の太陰肺経」は、自分で取ることができるようになって、喘息はあまり出ないのですが、自律神経の経絡は複数系統あって難しい。
がんばらなくては。

柔術から現れた接骨、鍼灸などの優れた整体術は、今も多くの人の体を治しています。
ところが、最近になって別の柔術由来の整体術があることを知りました。
それは……

……次回に続く……
ラベル:合気道 柔術 整体
posted by ゆか at 23:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 武道系コラム | 更新情報をチェックする
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