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2014年09月16日

白と黒(後編)内なる敵

今回の「初心者無料講習会」は、市民に武道に気軽に親しんでもらうための企画で、剣道、空手、柔道、なぎなたなどの他武道の講習会もあります。


『教室活動中に発生したけがや事故についてのご案内』と書かれたプリントが配られました。
スポーツ教室の講座中に事故が起きた場合、見舞金もしくは市長会保険金が支払われるらしい。
「対象外」となっているのが「ケンカ」「持病の悪化」「むちうちや腰痛」など。

ケンカは論外としても、武道家で膝や腰を悪くしている人は意外に多く、みんな自己責任で無理しない程度に武道を続けていますが。
なんだか遠まわしに「健康体の人間以外は来るな」と言われているみたいで嫌な感じ。
危なそうだったら、即座に見学に切り替えるつもりだから大丈夫だと思うけど。

講習会に参加した目的は、前回感じた自分と他の人とを隔てていた「ガラスの壁」の正体を見極めること。
そして、自律神経失調症対策として実用化された柔術の経絡「太陰肺経」「少陰心経」、中国拳法系の「大気拳」、合気道の「丹田呼吸法」を駆使して、自律神経失調症をコントロールしながら稽古できるか試すこと。

武道館の柔道場に入ると準備体操がはじまっていました。
ジャージ姿の初心者は4人、残る30人のほとんどは黒帯。

うーむ。これは困った。
こんなに初心者が少ないとは。
これでは黒帯と組んでしまう確率が高い。
相手が黒帯なら必然的に技が荒っぽいものになる。
前回は途中参加で、なんとか最後まで稽古できたけど。
この病み上がりの状態で最初から最後まで稽古についていけるか……

不安になりながら、もう一度道場を見渡して驚きました。
前回の稽古で感じた「ガラスの壁」がない……
どちらが「見えない壁」を作っていたのか、これではわからない。
……まあ、いいか。壁があるよりない方がいい。

では、自律神経失調症コントロール実験を……

荷物を観覧席に置いて柔道場に向かおうとした瞬間、吐き気をともなう胸苦しさを感じました。
発作性頻脈……脈が乱れているけれども、あわてずに席に座り、ゆっくり息を吐きながら手の「少陰心経(循環器系の乱れを整える経絡)」、手の「太陰肺経(気管支系の乱れを整える経絡)」を押しました。

「経絡」とは、ツボ(経穴)同士のつながりのことですが、即効性があるものと徐々に効いてくるものとに分かれます。
念のために特効穴の「膻中(だんちゅう・胸の中心にある喘息や胸痛を止めるツボ)」も押しておきましょう。

脈と呼吸が整ったところで稽古に参加。
今回は基礎の足さばきや相手の体勢の崩し方など、合気道の基本の動きを中心とした稽古。
運動量は多くないので大丈夫か……と思いきや。

技が変わって師範の見本演武を全員で見ている最中、突然背中から頭に異様な熱感がかけのぼりました。
暑くもないのに上半身だけ汗をかく自律神経障害、発汗発作です。

まずいな。「大気拳」なら30秒もあれば発作を鎮められるけど「丹田呼吸法」では5分近くかかる。
師範演武は3分程度だから技の説明の間に症状を抑えきれない。

自律神経失調症を和らげる薬は処方されているものの、「血栓ができやすい副作用があるから、意識的に水分補給をすること」と主治医の厳命が出ているため、脱水症状を引き起こす発汗発作は、発作性頻脈や呼吸困難と同じぐらい危険な症状なのです。

しかし、発作を止めるためとはいえ、合気道の稽古の最中に中国武術系の「大気拳」の動きをするわけにもいかない。難儀なことになった……

仕方がないので、正座した状態で丹田呼吸法を使って、できるだけ症状を和らげ、技の稽古がはじまるタイミングで稽古の輪から抜け、観覧席で水分補給。
しばらく見学しながら丹田呼吸法を続けて発汗発作を鎮めました。

あまり動かずに、ゆるやかに全身の気血のバランスを整える「丹田呼吸法」に対し、「大気拳」は立った状態から腕を大きく回しながら呼吸する分だけ、気血のめぐりが早くなって発作が治まるのが早いのでしょうが、この使い分けは今後の課題ですね。
念のために「太陰肺経」「少陰心経」を押してコンディションを整え、再び稽古に戻りました。

「さっきから君は腕を押さえてるけど、腕が痛いのかね?」

年配の有段者が心配そうな顔をしましたが。
「痛いのは腕じゃなくて肺と心臓です」とも言えません。
とりあえず「大丈夫です」と答えておきました。

受け身の取れない初心者を意識して投げる技の稽古はありませんでしたが、自律神経障害の病み上がりの身には、ちょっとしんどい。
それでもなんとか最後まで稽古できました。

「治ってから稽古すればいいやんか」というご意見もあろうかと思いますが、症状が完全に治まるまで4、5年かかると宣告されています。
でも、経絡をはじめ、体の構造の勉強を進めていけば回復は早くなるでしょう。
自分のペースで稽古できるから、合気道はリハビリにいいかもしれない。
また、体調のいい時にマイペースで稽古を続けていきたいと思います。
ラベル:合気道
posted by ゆか at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 武道系コラム | 更新情報をチェックする
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