コクヨ「鉛筆シャープ」。
フローズンカラーシリーズの「ライトブルー」。
やっぱりかわいい。
筆圧の高い私は頻繁に芯が折れるシャープペンが大嫌いでしたが、手帳用に買った芯径0.9mmのこのペンは快適。
芯が折れなくてありがたい。
学生時代のシャープペンは0.5mm芯だったから、相性が悪かったようですね。
ちなみに「0.9mm芯のシャープペン」には、最近ヒットしている「大人の鉛筆」系のほかに、「製図用」と「速記用」の2つの系統があります。
昔、設計の仕事をしていた夫の道具箱の中に、ロットリングの0.3mm、0.5mm、0.7mm、0.9mmの製図用シャープペンがありました。
製図の世界では、図面に描く線の太さの種類が多く、さまざまな芯径のシャープペンの使い分けが必要になります。
一般的なシャープペンよりもペン先のパイプ部分が長いのは、線を引きやすくするため。
書き味は少し硬いですね。
一方、速記の世界で有名なのは、1978年に発売されたプラチナ万年筆株式会社「プレスマン 速記用シャープペンシル」。
30年以上新聞記者や速記者の間で愛用されているもの。
『公益社団法人日本速記協会』によると、速記は話された言葉を即座に書き取る技術。
古代ローマ時代に誕生し、日本に入ってきたのは明治時代。
参議院式、衆議院式、中根式、早稲田式が代表的で、それぞれに独特な速記用の符号があります。
「符号で書いといて後でまとめるって面倒じゃないの? 直接パソコンに打ち込んだ方が早くない?」と疑問を持たれる方もあるでしょうが。
普通の人が1分間に話す文字は300字程度。
方言や外来語が混ざると、音声入力ソフトでは正確に入力できないし、キーボード入力も難しい。
最近、病院に行くと、主治医が問診内容を直接キーボード入力しますが。
時々「ちょっと待ってね」と言われて、途中で問診が中断されることが多い。
問診は話に脈絡がなくなりがちなので、内容をまとめて入力するには時間がかかるし、入力しているのは速記者じゃなくて医者なので仕方がありません。
では、速記者の実力とは……
話し言葉のかな入力速度で、一般財団法人全日本情報学習振興協会の「パソコン速記者認定」の合格ラインが1分あたり300字、日本速記協会の「速記1級」の合格ラインが1分あたり320字。
両方ともあらかじめ書かれた文章を朗読する形式の試験で、話し言葉を直接文字にしているわけではありません。
実際に講演や会議などで口述筆記できるスピードはもっと遅いでしょう。
しかも、人は会話の合間に「あー」とか「えー」など意味のない言葉を入れたり、同じ話を繰り返したり、話が飛躍したりします。
ライティングの世界でも、口述された音声データを聞いて、言葉をそのままデータ入力する「素起こし」と、その原稿を日本語として意味の通じる文章にまとめなおす「リライト」。
この2段階の手順を踏まないと、会話をきちんとした文章にできません。
口述筆記を直接キーボードで早くできる時代が来るのは先のことでしょう。
それにしても、この「プレスマン」、デザインはスタンダードな黒のペン軸だけど、2Bで柔らかい書き味が魅力的。
今持ってる「鉛筆シャープ」は色がきれいだけれども、打ち合わせで使うにはかわいらしすぎるので、「2本目の手帳用シャープペンシル」として、これを買ってみることにしましょう。
ラベル:シャープペン