右手の中指の第二関節の上の部分に銀の指輪の表紙。
『奇跡のアルミ指輪健康法(宝島社)』は、キャッチフレーズが『指のツボを刺激すればやせる!つらい症状が改善!』。
監修者の福辻鋭記氏が院長を務める『美と健康の情報サイト<アスカ鍼灸治療院>』サイトによると、福辻氏はTBS水曜スペシャルで「日本の名医50人」に選ばれた鍼灸師で、専門は鍼、灸、指圧、整体、器具を使うハンマー整体、オイルマッサージ。
美容整体が得意分野で、その著書は累計380万部超。
すごい実績の方です。
Amazonの本の紹介によると、「アルミ指輪健康法」は、アルミホイルを指のツボに巻くだけで、血糖値が下がったり、血圧が正常値になったり、ダイエットに成功するらしい。
アルミホイルを手や足の指先に巻くと、金属のイオン化傾向が人体に流れる生体電気の流れを改善し、鍼と同じ効果が得られる。
……って、ほんまかいな。
サイズ調節可能な福辻式アルミ指輪2個セット(大:直径16mm、小:直径12mm)つきで、親切な本だけど。
この写真、どこのツボだろう?
中指の第二関節の上の部分。
しいて言うなら、奇穴の「中魁(ちゅうかい・中指の第一関節の中央で胃の機能を改善)」と「四縫(しほう・親指を除く四本の指の掌側の第二関節の中央で消化不良に効く)」が近いけど、写真の指輪は、その中間の位置にある。わからない。
私が経絡の勉強に使っているのは『ビジュアル版 東洋医学 経絡・ツボの教科書(兵頭明監修 新星出版社)』。
WHOの規定に準拠した鍼灸師をめざす学生向けの本。
鍼灸師を目指すのではなく、柔術の「活法」と「経絡」の知識を応用して、持病の喘息や自律神経失調症をコントロールするのが目的です。
経絡とは、全身に張り巡らされた「気」や「血(けつ)」の流れの通路で、経絡が表皮近くに現れているのがツボ(経穴)。
経絡は数系統あって特定の臓器に影響を与えます。
特定の経穴を刺激することで、特定の臓器を活性化して体全体の調子を整えるのが、鍼灸の基本的な考え方。
自分で使えるようになった「手の太陰肺経(呼吸機能改善の経絡)」「手の少陰心経(循環器系改善の経絡)」に続いて、今、この本で研究中の経絡「手の厥陰心包経(けついんしんぽうけい・精神安定に効果がある)」の起点が、中指の爪の下にある経穴の「中衝(ちゅうしょう)」ですが、写真の指輪の位置は、それとも違う。
最近発見された新しいツボかもしれない。
ツボ(経穴)には様々な解釈があって、しかもツボの位置と深さに個人差がある。
「ツボを確実に突く」ためには経験を積まなければならないのですが。「指輪をツボにつけるだけで健康になれる」と言いきっていいものか……
私が不安を抱くのは、武道的に「ツボは急所」だからです。
経絡を「殺法」で取れば相手に激痛を与えることができるし、「活法」で取れば相手は健康になる。
そのため、昔から柔術は「活殺自在」として恐れられてきました。
私は元大東流合気柔術家の合気道有段者から「あなたは分別のある人だから、特別に教えておきます。「殺法」は護身のみ、「活法」は自分の健康のために使ってください」と、口伝で経絡の取り方を教わりましたが。
「取り方」が違っていても、押さえる位置は同じなので、自分に対しても他人に対しても慎重に使いたいですね。
そういう意味では、鍼灸や整体など「人体を治す側」から「経絡」に近づいた人よりも、武術や武道などの「人体を壊す側」から「経絡」に近づいた私たちは、人の体に対する「畏れ」が強いのかもしれません。
ちなみに、セミナーでご紹介する「武道と健康」のテクニックは、簡単に誰もができて安全なものを選びますのでご安心ください。
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