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2015年06月27日

『ゴーストライター論』

「私のゴーストライターができますか?」

時々そんな質問を受ける。

「ゴーストライターの相場は、口止め料込みで1冊あたり80万〜100万と言われていますが、よろしいのですか?」

相手はひるむ。

「1行でもいいから、ご自分の言葉でお書きになった方がよいでしょう。そこからふくらませる方法もありますから。その時は、ぜひご相談ください」
「考えてみます」

その話は立ち消えになる。

取材ライターは簡単にゴーストライターになれる。
原稿料は高額だが、報酬の未払いや著者とのトラブルが増えたので警戒が必要だ。

この本の著者は2014年、『週刊文春』で作曲家・佐村河内守氏のゴーストライター問題をスクープして、大谷壮一ノンフィクション賞を受賞し、自らも多くのゴーストライターの経験を持つライター。
ゴーストライターの知られざる世界を紹介し、これからの「あるべきゴーストライター像」を提案している。

私は無署名記事を書いても実績として公表し、次の仕事につないできたが、ゴーストライターの経験はない。

ゴーストライターが出版業界に必要な存在で、佐村河内守氏問題を発端に、ゴーストライターの権利意識が高まって「ゴーストライターの世界でしか実績をアピールできない」ルールが壊れてきているのは知っているし、もちろん原稿料の不払いはいけないけれども。

マニュアルや教材などの無署名記事を書き、本の奥付に編集プロダクション名が載るライターと、本人になりきって原稿を書き、「あの社長の本は俺が書いた」と口にしてはいけないゴーストライターを、著者がまとめて「ゴーストライター」と呼んでいるのには違和感がある。
ライターの世界にいるのは取材ライターだけではないのだ。

ただ、著者や出版社とのトラブルの具体的事例と、その対策が載っているので、取材ライター以外でも、ライティングに関わる人は、目を通しておいた方がいい本だと思う。

『ゴーストライター論』 神山典士 著 平凡社
posted by ゆか at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 本読みコラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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