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2015年09月23日

平成27年の火祭り

今年もこの季節がやってきました。


「平成27年 がんがら火祭り生中継」。
池田市役所屋上の特設ステージには、司会の和服姿の大石栄子アナウンサー。
解説は紫の半被姿の池田郷土史研究家・中岡嘉弘氏。
いつもの広報係の方がいないのが気になるけど。番組はスタート。

「今年も一緒にがんがら火祭りを楽しみましょう。これは私が前に書いた本で限定品です」
と中岡氏が取り出したのは、『北摂池田伝統の火祭り がんがら火』。
朱色の表紙と黄色の帯が鮮やかな「火祭り」を連想させる美しい表紙。

調べてみると、11年前に中岡氏が自費出版で出された本。
『honto』では品切れで、売られていた当時の価格は1,028円。
どこで手に入るんでしょう。
池田市立図書館の蔵書の「郷土文献リスト」に書名は見当たらない。
去年、アーカイブ事業『北摂叢書』を立ち上げた人間としては、非常に気になるところですが。

「今年は無事に、がんがら火祭りを迎えられて、ほっとしましたねえ」
「そうですね」

うれしそうな2人。
昨年、この伝統行事は、8月24日当日に大阪北部に出された大雨・洪水(土砂災害・浸水害)警報のために、戦後初めて中止になりました。
「ventus」で平成26年の火祭りのレポートができなかったのも残念でしたが、関係者の落胆は大きかったと思います。
でも、今年は無事に見ることができてよかった。

最初は火祭りの概要。
火がついた松明を担いで走る若衆の映像と「一、1644年から370年続く伝統的な火祭り」のテロップ。
ゆっくりと大松明が移動する映像と「二、池田市内を練り歩く松明が見どころの一つ」。
池田五月山に火文字が浮かび上がる映像と「三、五月山に「大」と「大一」の2つの文字火が現れる」。
竹製の松明に点る火と「四、建石町の子ども松明では星の宮に「大」の文字火が点灯」のテロップ。

今年の生中継は何か妙です

大阪府無形民俗文化財「がんがら火祭り」は、同じ日に行われる2つの火祭りの総称。
京都愛宕神社から勧請した「星の宮神社」の氏子の建石町保存会による子ども松明の巡行と「大」の火文字。「池田愛宕神社」の氏子の城山町保存会による「大一」の火文字と大松明の巡行。
ここで例年通り地図を使った巡行ルートの説明。

まず、城山町の大松明巡行ルート。
午後1時に五月山中腹の「池田愛宕神社」で柴燈護摩(さいとうごま)をたき、その火を小松明に移して山を降り、「油かけ地蔵前」に待機していた大松明に火を移す。
半鐘や八町鐘を「がんがら」と鳴らしながら、旧池田市街を練り歩き、市役所前で火を新しい大松明に付け替え、さらに街をめぐって最後に愛宕神社分社へ。

ここで場面は「油かけ地蔵前」。
城山町担当の長田和彦レポーターの実況中継。
大工装束の男衆が、小松明から長さ4m、重さ100キロの大松明に火を移します。

さらに場面が変って、建石町の子ども松明のルートの説明。
「星の宮神社」を出発し、五月山山中の「山の家」から火をもらって池田市内を練り歩き、再び「星の宮神社」へ戻る。
建石町の中継担当は市川いずみレポーター。
修復されたばかりの「星の宮神社」から、青い半被姿の70人の子どもたちが、竹の松明を持って山に登っていきます。
鳴り響く半鐘は、大阪府「21世紀に残したい音」に選ばれた音。

画面が切り替わって、「油賭け地蔵前」の大松明。
2本の松明の先端を一つにして「さすまた」で押さえ「人」の形を作ったまま、街中を練り歩くのですが。
今年は組み合わせ、バランスが崩れては止まり、位置を調整して、また組み合わせる。
2年ぶりの祭りのせいか、なんとなく息が合ってないし、風が強いから松明の燃え方が激しい。
大丈夫かな。

VTRは大松明を作る作業場の風景。
「がんがら火祭り」は神事なので、去年使う予定だった大松明は分解して、今年用の大松明を新しく肥松と竹で製作。
青竹を芯に藁縄を巻き、肥松を細かく割って木片にして芯に巻きつけ、さらに縄でまとめる。
根気のいる作業です。

特設ステージの背後、黒々とした五月山中腹には「大」の赤い火文字。
「去年見れなかったから、余計にきれいに見えるんでしょうか」と語る中岡氏。

VTRは昼間の「池田愛宕神社」に切り替え。
修験道の「柴燈護摩」の神事が行われます。
結界前で「行者問答」の神事。
材木を積み上げてヒバの葉で覆った護摩壇の前では、斧で魔を祓う神事。
弓を使って中央と東西南北・厄の方向に矢を射る神事が行われ、修験者がほら貝を吹く中、神主が祝詞を唱え、護摩壇に点火。
緑の護摩壇から立ち昇る白煙、大きく伸び上がるオレンジの炎。

そして夕刻の愛宕神社の映像。
神主が持った蝋燭のご神火は、黒い大工装束の若衆がかつぐ小松明に移されました。

ここで私の母校・大阪府立渋谷高校の先輩にあたる小南修身・池田市長が登場。
「去年の8月24日、子ども松明の出発式を行って、いざこれからというところで、中止は苦渋の決断でした。伝統行事も大切ですが、人命の安全が第一なので」と悔しげに語ります。

場面が変って、中継は旧池田市街・桜通り。
大工装束の城山町の子ども松明行列が、ふらふらと進む大松明を先導している光景と、城山町の「大一」の火文字の映像。
「「大」は「天」、「一」は「地」そして人がいるんです」と中岡氏。
城山町の子ども松明は3年生まで。
その後は鐘を叩く役になり、最後には担ぎ手になります。

城山町の大松明を作っている作業場のVTRでは、保存会のみなさんが「去年は悔しかったけど、今年は最高の祭りになりますよ」と口々に言っていました。
松明作りは力仕事ですが、女性会が作る「がんがらカレー」で元気をつけて、再び大松明の準備をする男性たち。
たった一日で燃やしてしまう松明を作る準備は、地域の人々が力を合わせて行っているのです。

場面変って建石町の子どもたちが待機している「山の家」。
1mの松明に火が移されると、子どもたちは緊張して無口になりました。

中継が切り替わって、阪急池田池前の城山町の大松明の様子。
暗い夜空を焦がすような勢いで燃える2基の大松明。
風が強いせいか、予定よりも松明が早く燃えてしまい、担ぎ手に大量の火の粉がふりかかって、かなり危ない状態。
すごく気になるけれども、今年は番組の構成が細切れになって、大松明の巡行があまり見られないんですね。
大松明巡行そのものは、インターネットで中継されているけれど、テレビ中継とネット中継を同時に見るのは難しいですよ。

一方、五月山小学校前の中継は、坂ノ下に広がる大阪市街の美しい夜景が広がり、暗い夜道を明るく照らす子ども松明の列。
一緒につきそう大人も楽しそうな表情。

中継は池田市役所前の大松明に変りました。
「わっしょい」の掛け声で2本の松明の先端が合わさって「人」の字に。
歓声が上がる中、「さすまた」を巧みに操りスムーズに松明を道路に倒す。

炭だらけになった大工装束のドイツ人親子は「バランスを保つのが難しい」とインタビューに答えます。
初めて松明を担いだ大学生は「来年もがんばりたい」とうれしそう。
三人の背後で赤々と燃える松明が、火のついていない松明につながっていきます。

一方建石町の火祭りは「星の宮神社」。
境内の「大」の形の松明に火をつけて終わり。
市川レポーターが、松明を持つ子どもたちにインタビュー。
「今年は4回目。来年も参加します」とのこと。
子ども松明に参加できるのは小学3年生まで。
それから鐘を叩く役になり、その子どもたちが大人になって、また次の世代が役割を引き継いでいきます。

中継の最後は城山町の大松明。
暗闇の中、赤々と燃える2基の松明が去っていきました。
愛宕神社分社で松明に水をかけて火を消し、神主が礼拝した後、玉串奉奠で祭りは終了です。

「時代の流れに合わせるところは合わせる。でも芯のところは変らない。そして祭りは受け継がれていくのです」

2年ぶりに見た番組は、これまでと違ってネット配信やレポーターを積極的に使った、これまでとは構成・演出の違うものでしたが。
VTRと生中継とネットの動画配信の配分やタイミングが、かなり難しいと感じました。

毎年、少しずつ変っていきますが、来年は、どんな趣向の番組になるんでしょうか。今から楽しみです。
タグ:祭り 池田市
posted by ゆか at 02:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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