私の答えは「風呂や台所のリフォーム。ゆったりと広いお風呂で疲れを取ったり、足腰に負担のない台所で、夫婦で料理を作ったりするために。それに中古住宅でも、水まわりがリフォーム済みだと売る時に有利だから」。
私たちには子どもがいないので「老後に自宅をどうするか」が、いずれ問題になる。
最近、ファイナンシャル・プランナーの勉強をはじめたのは、不動産の運用や相続の知識が必要なのと、自分の資産状況を正確に把握できれば、「北摂叢書」の事業も安定して続けられると考えたからだ。
ついでにいうと、私がお金に関心があるのは「お金がないばかりに失われる文化が増えた」からだ。
さて、この本の著者は元外交官。
ソ連崩壊後のロシアで、「50ルーブル紙幣(5000円冊)と100ルーブル紙幣(1万円札)が明日から無効になる」事態に直面している。
その当時、モスクワの人々は、タバコのマールボロを通貨の代わりに生活していたそうだ。恐ろしい。
日本でも、そんなことが起きるのかと不安になってきた。
著者は半径5メートルの人間関係、家族、友人、仕事のパートナーとの関係を豊かにすること、お金を使わずに済む生活を心がけることで、大変な時代を生き抜けると言っているけれども。これから税と社会保険の負担がどんどん増えていく。
「お金を使わない工夫」も大事だが「財産を守るための知識」も必要になると思う。
「税や年金がわからない。そのうちなんとかなるだろう」が一番危ない。
FPテキストの社会保険「老齢年金」を読むと、生きているのが嫌になる。
ところで、この本で意外に役に立つのが、各章の最後についた書評。
【「お金持ち」を考えるための本】【「格差社会」を考える本】【「お金と投資」を考える本】【「お金の作法」を考えるための本】【「お金と人間」を考える本】。
読んでおくと役に立ちそうな本が、たくさん紹介されている。
お金について書かれた本のうちでは「地に足が着いた」本だと思う。
佐藤 優 著 青春出版社
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