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2007年06月05日

無印、禁断の味

最近、無印良品ファンが集まるサイトを見つけました。

 
その掲示板の一つ『買って失敗したもの』は、大変興味深い。

無印良品の商品は「手頃な値段で質がいい」ということなのですが……
すべての商品がそうでもないらしい。
ファンであるだけに、期待を裏切られた時の怒りはすさまじく、罵詈雑言が雨霰と飛びかう掲示板。

その中で、「これ、ひょっとして、ワーストワンかもしれない」と思えるほど、多くの人の怒りを集めている商品があります。

それは……『黒バウム』。

もし、これが『激マズ!』とか『吐きそう!』と書いてあったら、それほど気にはならなかったのでしょうが。……
『鉛筆の味』、『炭の味』。
……???

普段、鉛筆や炭を食べない私としては、全然想像がつかない。
どんな味なのかしらん?
今まで、無印のお菓子で、ものすごくまずいものに当たったことがないので……
これは、ひょっとして、「稀にみる失敗作」……???

うーむ。『黒バウム』。
いったいどんな味なんだろう……
あまりに不評なので、逆に『黒バウム』が、気になってしかたがない。

まず、『無印良品』サイトで調べてみました。
なるほど、ありました。
焼け焦げて炭になったような、黒い棒状のお菓子が。

『竹炭パウダーと黒ごまを練り込み、ごまの香りを生かしてバウムクーヘンに焼き上げました』。

島根産の孟宗竹を一粒5.6ミクロンに粉砕し、黒バウム1本あたり1.1g。
ティースプーン1杯分使っているとのこと。
たったそれだけの竹炭で「炭の味」がするのでしょうか?

……わからん。
……やっぱり、これは試してみないと。

そういうわけで、無印良品の店で『黒バウム』を買ってみました。1本189円。
100g、つまり1本分が427kcal。
チキンラーメン一食が381kcalですから、まさしく「ダイエットの敵」。

整形外科の主治医から「現体重の維持」を厳命されている身。
とてもじゃないけど、これを「おやつ」として食べるわけにはいかない。
昼食に食べることにしました。

原材料は、卵、砂糖、小麦粉、マーガリン。
黒ゴマ、水飴、ショートニング。
砂糖・異性化液糖。植物油脂、着色料(炭末)。膨張剤、ソルビトール、香料、乳化剤……

早い話が「強烈な砂糖と油の塊」。

袋から黒バウムを出して、皿に置いてみました。

バウムクーヘンを縦長に切った形状。
長さ13.7センチ、厚さ4.4センチ。
断面は扇状。
幅は分厚いところが4.9センチ、薄い部分が2.2センチ。

色は漆黒。
一見硬そうな質感。
青光りする油性の光沢。
全体にうっすらと走る縦の筋目。
ところどころにある気泡。

皿に乗っていなければ、誰も食べ物とは思わないでしょう。
外観は「消し炭」そのもの。

テーブルに黒バウムを置き、喘息薬とジンマシン用塗り薬、ショック症状を起こしかけて、救急車を呼ぶ時のための携帯電話も用意。
食物アレルギー対策です。

原材料の中で、アレルギーを起こす可能性のあるもの。
それは竹炭。
まだ、竹炭を食べる習慣が定着していないので、竹炭が食物アレルゲンかは、はっきりしないのです。
用心するに越したことはないでしょう。

そして、あんまりまずかったら、流し込んでしまおうと、コップに入れた冷たい麦茶も準備。
なにしろ、相手は「炭の味」「鉛筆の味」なのですから。

さて、準備万端整いました。
では、いざ!

まず、一口分を手でちぎってみました。
消し炭そのものの外観からは想像できない「ほろり」とした、たわいのないちぎれ方。
黒ゴマの香りが少々漂います。

口に入れてみると、燻したゴマの強い香り。
もそもそとした食感。
大量に砂糖が含まれている割に甘くない。

「竹炭の粉っぽさと、砕いたゴマのぼそぼそとした感じを、大量の水飴やマーガリンで、なんとかとりおさえようと努力したけど、失敗」……そんな印象。

竹炭はミネラル豊富で、体内の有害物質を吸着して排出する効果。
黒ゴマには、動脈硬化や老化の防止。
便秘、冷え性に効き、ストレスを緩和する効果。
健康によい組み合わせですが、食べるなり、みるみる元気がわいてくる……という感じはしないですね。

『竹炭と黒ごまの風味あふれる』とありましたが、すこし焦げたような、強いゴマ風味ばかりが、口の中に居座って、つらい。

どのぐらいで、ゴマの後味がなくなるか試してみました。
……5分たっても、口と鼻と喉の間に、ゴマの香りが残り、すごく、つらい。

とうとう根負けして、麦茶を飲んで後味を消しました。

でも……もし、これが、麦茶じゃなくて、オレンジジュースやコカコーラだったら……
黒バウムの後味と化合して、口の中に、何か有害物質が発生するような、そんな恐怖を抱かせる不気味な風味。

確かに、黒ゴマ好きの人には、たまらない魅力なのだろうけれど、私は苦手。

今、無印良品サイトでは、『冷やして味わうお菓子のセット2(1588円)』として、黒バウムを、ソフト寒天ゼリー、黒糖トラ焼き、バナナバウム、チーズスティックケーキ、レモンとチーズのパウンドなどと、セットにして売り出しています。

付属の飲み物は、インスタント・アップル&ローズヒップティーと、水出し中国茶ティーバック・ミント烏龍となっているけれど。
……その組み合わせで大丈夫なのかしらん。

無印良品は「黒バウムのおいしい食べ方」として、「冷やして生クリームとバナナを添える」食べ方を提案しています。

なるほど。
食品は冷やすと風味が弱まります。
黒ゴマの強すぎる風味を、生クリームでくるんで、なだめ、さらに、バナナの強く甘い香りで、黒ゴマの風味をおさえる……

「そこまでして、食わなあかんのか?」

頭の中に、ふつふつとわきあがってくる疑問がおさえられません。

アレルギー症状は出ませんでしたが、私は、たぶん二度と黒バウムを食べないでしょう。
「300円やるから、黒バウム食べへんか」と頼まれても、お断りするつもりです。

禁断の味、黒バウム。

無印良品の店以外に、コンビニのファミリーマートでも取り扱っているようです。
興味のある方は、挑戦してみられるとよいでしょう。

でも、どんなことが起きるかは、保障しませんよ。
ラベル:無印良品
posted by ゆか at 15:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常コラム | 更新情報をチェックする
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