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2016年10月14日

税理士とFP

「こないだの試験はどうですか?」


突然かかってきた電話。
声の主はファイナンシャルプランナーの学校の先生でした。

「……なんかダメっぽいみたいで」
「ネット上に回答が出てるでしょう」
「印刷してみたんですが、見る勇気がないですね」
「じゃあ、答え合わせってことで、一度学校へ来てください。僕だって試験結果が気になりますから」

先生は明るくはずんだ口調で言いましたが……
私は重苦しい気分で学校へ。

実は10月から私の担当キャリアカウンセラーは税理士に変わりましたが、初対面ではありません。
入学して以来、1年間、ずっと私が教室で勉強する姿を見てきた人です。

「FPの生徒さんの担当は初めてなんですよ。学科の内容は、これまでと同じように、東京本部の先生に質問していただくことにして、僕は学習管理サポートを担当します」

先生はAFP(2級ファイナンシャルプランナー技能士)の前回試験の答案用紙を机の上に広げました。

「今回初めて見たんですが、簿記や税理士と違って、FPは出題範囲が広いですね」
「そうなんです。ライフプランニング、税金、保険、金融、不動産、相続から学科で60問、実技で40問。しかも実技は計算問題なのに学科より時間が少ない。正直お手上げです」

先生は次々に答案を採点していきます。
やっぱりバツの数が多い。こりゃだめだな。

「……惜しいな。運が悪い。「?」マークをつけてる4択問題をことごとく落としてる」
「前回は時間内に解ききれなかったし、今回は解けたけど前回より「?」が多かったので、無理だと思ってました。路線価と地図で不動産の面積と評価額を計算して、特定の法定相続人の相続税の課税額を算出するタイプの……複数の分野にまたがった問題が苦手です」

先生は机の上の答案をにらんでいます。

「全然理解できてないわけじゃないのに……まったく惜しい」

「傾向読むのが難しいです。今回はFP倫理で執筆や講演業務のための著作権が出たということは、時事のウエイトが増えているんじゃないでしょうか。前回が相続税法改正後で相続、今回がマイナス金利政策で金融に偏る……ということは、10月に厚生年金と健康保険制度が変わったところだから、1月はライフプランニングから問題が多く出る?」

「山張っちゃいけませんよ。地道に苦手なところを全部つぶしていく」

先生は真剣な表情を見せました。

「全部つぶす?全問できませんよ。範囲が広すぎます」

「いえ、間違った問題を全部リストアップして、全部つぶしてください。試験まで3か月あるんだから、必ずできます。AFPの提案書作成の時も、朝早く来て晩まで学校に残ってたじゃないですか。本気になればやれます。あなたは土壇場に力を発揮するけど、普段は真面目に勉強しないスロースターター。この答案を見る限り、FPは出題範囲が広すぎるから、普段からコツコツ勉強しないと合格は無理ですよ」

先生はペンを取り出すと、机の上に小型カレンダーを広げました。

「では、とりあえず10月の日程を決めましょう。まず、学校に来れない日はいつですか?」

予定が決まっている日をあげると、先生がカレンダーの日付欄に×マークをつけます。
私が1か月分の予定を言い終えると、先生はカレンダーに×が入ってない日付欄のすべてに○をつけました。

「ああ、これなら大丈夫ですよ。週に3日は学校に来れるじゃないですか」
「週に3日!落ちたペナルティですか」
「いやいや。「勉強できるチャンス」とポジティブに考えてください。弁護士や社労士の受講生は、あなたよりもっと勉強してるんですから」

「予定はまだ決まってないだけで、仕事が突然入ってきたり、進行が遅れて後にずれ込んだりすることがあるので、余裕を残してるだけです。暇なわけじゃないです」
「でも、今のところ予定が確定してないんですよね。その時間、僕が今、全部押さえます」

思わず先生の顔を見ました。

「来れない時は事前にメールください。どんなパターンでスケジュールが崩れるか分析します。自分の弱点を知ってれば、予定変更に悩まされずに勉強に集中できるでしょう。それに、直前で頑張るよりも、30分でもいいから毎日勉強した方が力がつきます」

「1日30分って意外に難しいですよ。テキスト開いた瞬間に没入できない質なので」
「大丈夫です。30分と言わず、3、4時間勉強してもらっても結構です。どんどん勉強しましょう。学校のオンデマンド教室は無料です。朝から晩まで毎日勉強しますか?」
「毎日学校へ来るのはしんどいです」

「僕らとしては、あなたにFPになってもらいたいんです。仕事も家のことも大変でしょうが、学校へ来れば、勉強以外のことはできなくなるし、週3日通えば、家で勉強する習慣もつきます。あらかじめ時間を切って、人に会わず、電話やメールに一切出ない。ここで、その癖をつけましょう。試験までに効率的な時間管理ができるようになると、FPになった後でも、集中力や時間をうまく切り替えて仕事できるでしょう。ここが頑張りどころです」

先生は生真面目な口調で言いました。

「大丈夫ですよ。何かあったら僕にメールください。直近の予定は……明日ですね。テキストと筆記用具と電卓だけ持参してください。あと、やる気も忘れずにね」

見事に釘を刺され、1月の試験まで週3回学校に通う羽目になってしまいました。

元々、義母の介護のために在宅でできる仕事……ということではじめた執筆業ですが。
自由時間が無制限にあるフリーランスのライターとは違い、最初から可処分時間に制限があった私は、工業簿記の労務費管理の手法を使って仕事時間の管理をしていました。

本来なら定期的な勉強時間を取るのは難しくなかったはずですが……

ここしばらく、昼夜問わず入る仕事がらみの電話やメールに翻弄されていて、自分のペースで動くことができなかったのでした。
これを機会に人間関係も整理して、ついでに試験までに自宅のファイナンシャルプランニングを並行して、概算で13%、節約の努力をせずに家計費をスリムにしましょう。
 
「独身だし、親が実家で一人暮らししてて、介護のことも心配だし、早くFPになって相談に乗ってほしい」と言う同級生。
「FPになったら『女性とお金』をテーマにセミナーやってください」と言い出す施設も現れ、個人的な事情で挑戦をはじめたAFP取得は、私だけの問題ではなくなってきたようです。

1日2時間ずつ勉強できることがわかったので、頑張りましょう。
posted by ゆか at 23:29| Comment(0) | TrackBack(0) | お金のこと | 更新情報をチェックする
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