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2018年02月09日

平成最後の演武大会(前編)観覧

今年も公益財団法人日本武道館から「日本古武道演武大会」の招待状をいただきました。

「東京の武道館へ行きます」
「誰のコンサートですか?」
「日本古武道演武大会」
「はあ?」

……という反応が多いので、簡単に説明すると、「古武道」とは明治以前からある武道のこと。
この演武大会は剣術、柔術、槍術、居合術、薙刀術、砲術など、全国から集まった古武道のトップレベルの演武が見られるのが特徴。

しかし……毎年のことながら、この演武大会は何かが起こりますね。
大雪で飛行機が着陸できなかったり、携帯のバッテリーケーブルが故障して、東京の真ん中で遭難しかかったり、突然デジタルカメラが壊れたり。
「万全の防災対策をもって観覧に臨む」覚悟で出かけました。

今回は「Twitter:写真で綴る古武道弾丸観覧ツアー」にも挑戦。
デジタルカメラとスマートフォンの両方で写真を撮ることにして、空路で東京へ。

日本古武道演武大会の会場、日本武道館。
撮影しやすい最前列の観覧席は、すでにカメラを持った人でいっぱい。
最前列に出ていける通路横に陣取りましたが、前の席にいる人の頭が邪魔になって、今回の撮影は苦労しそうな感じ。

配られたアンケートの質問は、年齢、性別、都道府県、職業、稽古しているまたは稽古している武道の順……これなら武道をしていない人でも答えやすい。
職業欄に『無職(定年退職)』や『主婦』という選択肢があるのは、高齢者と主婦(主夫)が武道をすることが増えているからです。

撮影準備が終わったところで開会宣言。
国歌斉唱、主催者挨拶の後、来賓の紹介がありました。
驚いたのは、来賓の中に合気道道主の植芝守央先生がいらっしゃること。
古武道と現代武道。興味深いことです。

続いて古武道功労者表彰式。
今年の表彰は、柳生新陰流兵法剣術(やぎゅうしんかげりゅうへいほうけんじゅつ)の柳生耕一厳信先生と、森重流砲術(もりしげりゅうほうじゅつ)の小野尾正治先生。

さて、いよいよ演武がはじまります。

日本の最高峰の古流35流派が、持ち時間7分で演武。
休憩20分をはさんで、35流派×7分=245分。
開会式から閉会式までは10時30分から16時過ぎ。
全部通して見ると4時間の「古武道演武観覧のフルマラソン状態」ですが、ふらりと途中から入って、お目当ての流派だけ見て帰ってもよくて。
要は好きなように見ていいんです。

演武始めは鎌倉時代から伝わる小笠原流弓馬術(おがさわらきゅうばじゅつ)。
祭事や慶事に行われる「百々手式(ももてしき 一斉に矢を放って魔を退ける儀式)」。
烏帽子水干姿の射手が次々に放った矢は次々に的に命中。
拍手がわき起こります。

女性宗家が活躍する兵法タイ捨流(ひょうほうたいしゃりゅう)。
「タイ」は「体」「待」「対」「體」とさまざまな字があてはまります。
前回の演武は「飛び跳ねる」イメージが強かったのですが、今回は激しい打ち合いの演武。

「十手対刀」の演武が印象に残る総合武術・澁川流柔術(しぶかわりゅうじゅうじゅつ)は、ここぞという見せ場を「止め絵」的に収めていたので、撮影しやすかったです。

稽古に使う槍を調達するため、自ら樫の植林をはじめた宝蔵院流高田派槍術(ほうぞういんりゅうたかだはそうじゅつ)は、槍を持ったまま飛び跳ねて、相手を制する技を披露。

貫心流居合術(かんしんりゅういあいじゅつ)の演武は、それぞれの演武者が年齢、体格に合った動き。一見バラバラな動きをしていながら絶妙な調和をみせる。
玄人好みの動きです。

荒々しさの中にも気品を感じさせる戦国時代発祥の総合武術、竹内流柔術日下捕手開山(たけのうちりゅうじゅうじゅつひのしたとりてかいさん)。
木刀を打ち込む瞬間、その打ち込む一点だけに気合いを集中する卜傳流剣術(ぼくでんりゅう剣術)。

沖縄剛柔流武術(おきなわごうじゅうりゅうぶじゅつ)は、「スーパーリンペイ(百八手)」「カキエ」の演武。
沖縄武術、空手といえば、サイやヌンチャクなどの「武器を使う」イメージが強いのですが、今回は「型」のみ。それでいて「型」の魅力を押し出した演武でした。

『勝負とは たたざる先の勝負にて うつは打たざる 切るは切らざる』。
その道歌通り、先手必勝の気迫ある棒術を見せる氣楽流柔術(きらくりゅうじゅうじゅつ)

宮本武蔵の二刀流で知られる野田派二天一流剣術(のだはにてんいちりゅうけんじゅつ)。
敵を威圧する掛け声「ズー」。
切っ先返しで発声する「タン」。
勝どきの声「ヘッタイ」。
独特な掛け声が演武場に響き渡ります。

それにしても、いつものことながら、演武は見なければならず、写真は撮影しなければならず、演武大会プログラムはチェックしなければならず、印象に残ったことは膝上のレポートパッドにメモしなければならず……
古武道観覧は一人で忙しい。
喘息でひ弱な私が、こういった無茶なことを4時間もやれるのは、演武者の気合いに助けられているからでしょう。

若い演武者と年配の演武者で、まったく別の動きを見せ、年をとっても、きれいな演武ができることを示した心月無想柳流柔術(しんげつむそうやなぎりゅうじゅうじゅつ)。

年配の女性たちの気迫があふれる天道流薙刀術(てんどうりゅうなぎなたじゅつ)は、薙刀だけでなく「太刀vs二刀の太刀」という変わった演武が印象に残りました。

実際に刀で青竹や巻藁を斬る、円心流居合据物斬剣法(えんしんりゅういあいすえものぎりけんぽう)。
古武道は現代武道と違って、真剣や火薬が演武に使われるので、普段見られないものが見られる楽しみがあります。
華麗なる抜刀術を見た後、楽しみの藁斬りへ……

カメラを構えなおした瞬間「バッテリーが限界になりました」と画面表示が出て、電源が切れました。

まずい。予備の充電池はあるけれども、前半だけで残り5流派。
今、電池を替えれば後半の撮影ができなくなる。

バッテリーに接続すると、なんとかカメラは復旧。
だましだまし撮影を続けます。

日本古武道演武大会には何度か来ていますが、観覧に必要なのは「集中力とバッテリー」。
藁斬りの瞬間の写真は撮れなかったけれども、写真や動画を撮る人が多かったので、おそらく演武大会に来た誰かが、藁斬りの動画を上げてくれるはずです。

演武は続いて、女性が活躍する金硬流唐手・沖縄古武術(きんがいりゅうからて・おきなわこぶじゅつ)は、
沖縄剛柔流武術とは対照的にヌンチャク、鍬などの武器を使う華やかな演武。

白ハチマキをしめ、当て身や蹴りを多用する、荒々しい演武が目を引く為我流派勝新流柔術(いがりゅうはかつしんりゅうじゅうじゅつ)。

なぜか「静かな剣術」「僧侶の剣術」という言葉が頭に浮かんだ雲弘流剣術(うんこうりゅうけんじゅつ)。
その極意は「勝気を離れること」。
プログラムを読んで納得しました。

両手に鎌を持つ二刀神影流鎖鎌術(にとうしんかげりゅうくさりがまじゅつ)は、あらゆる状態で正確に敵に分銅を当てる。
相手に分銅が当たるたびに「ボクッ!」と音がするので観覧者は息を飲んで見つめるばかり。
鎖を巻きつけて剣を奪う演武には拍手がわきました。

小野派一刀流剣術(おのはいっとうりゅうけんじゅつ)は、実際に刀を打ち合わせる演武。
静まりかえった演武場にだけが響きます。

さて、ここで一旦休憩。
後半の演武に続きます。
充電を確認しなければ。

……次回へ続く……
ラベル:居合 柔術 剣術
posted by ゆか at 23:42| Comment(0) | 武道系コラム | 更新情報をチェックする
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