2020年には東京オリンピックが開かれるし、2025年の万博を誘致しようと大阪市ががんばっている。
中国から観光に訪れる人も増えるだろう。
この本は、長年商社で中国とかかわってきた中国観測家のもと、ビジュアルコンテンツ編集実績多数のインフォビジュアル研究所が制作しているだけあって、視覚的でわかりやすい。
人口は14億で世界第1位、GDPは日本を抜いて世界第2位。
『ドローンのような視点をもって、中国という巨大国家を解き明かしています。』というだけあって、単なる教科書的な中国史だけでなく、中国の経済や政治、国際関係の話題まで、バランスよく網羅されている。
興味深かったのは『これが現代中国の普通の暮らし』の項目。
「非農業戸籍(都市戸籍)」と「農業戸籍(農村戸籍)」の2種類の戸籍があり、会社と従業員が費用負担する「都市従業者基本医療保険」と、本人負担で地方財政が費用負担する「都市・農村住民基本医療保険」で医療格差が激しい。
7億7000万人のネットユーザーがいて、自国だけで完結する「グレートウォール」。
超学歴社会。
都市の土地は国、農村の土地は村民委員会が所有していて、高値で取り引きされているのは建物の使用権のみ。
……想像しにくいことで、読んでいて途方に暮れた。
だが、『中国社会の基礎 共産党について』で、報道が断片的でわからなかった中国共産党の動きが、少しわかるようになったのは収穫だ。
『日中が触れたくない歴史の闇』として、歴史的にセンシティブな内容を扱いつつも、客観的であろうとしているところが「ドローン的」で印象に残る。
14億を超える中国の人口が、1979年から2013年まで続いた「一人っ子政策(夫婦1組につき子どもを1人とする政策)の影響を受けた世代と、どう絡み合うのか、正直見当もつかないが、もう少し中国に関心を持たないといけないと思った。
『図解でわかる 14歳から知っておきたい中国』 北村 豊監修 太田出版
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