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2018年09月21日

百年の万年筆

文具愛好家の間で「文具の頂点」に位置する万年筆。



最近はダイソーに行けば100円で売っていたりもするので、身近な存在になってきていますが、いまだ「高級品」のイメージが強いですね。

安いものはカートリッジ方式、高いものはコンバーター(吸入器)方式の万年筆ですが、メンテナンスが大変。
カートリッジ方式もコンバーター方式も、中のインクを捨てて水洗いしなければいけません。

「万年筆道」……お金と手間がかかる芸事みたいな世界ですが、途方もなく高価な万年筆を見つけてしまいました。

パイロットの「創立100周年記念漆芸セット七福神」。
全世界限定発売25セット。
税抜価格5,000,000円……ごひゃくまん!!! 

しばらくパソコン画面を見たまま呆然としてましたね。

『株式会社パイロットコーポレーション』によると、これは創立100周年を記念して、10月15日から発売される「創立100周年記念漆芸品」シリーズの第1弾。

ちなみに、11月15日に発売予定の創立100周年記念万年筆「富士」が全世界限定で100本発売。
税抜価格が1,000,000円。
パイロットの創業者が船乗りだったことにちなんだ「富士と明治丸」が、全世界限定800本で税抜価格150,000円。

……なんだか金銭感覚がおかしくなって、「15万か。意外に安いやんか」と錯覚を起こしそう。

500万の「七福神」は、最高級蒔絵の7本の万年筆と7種類の専用カラーインク、蒔絵の専用箱、ペントレー、ペン枕、真田紐付桐箱、シリアルナンバープレート、銘帳収納箱がセットになってるから、ひょっとしたら「お買い得」かもしれない。
……いやいや。500万は、やっぱり高い。

100周年記念万年筆が、なんでこれほど高いのか……
漆芸作家グループ「國光會(こっこうかい)」の手作り蒔絵万年筆だから。
この「七福神」万年筆は、万年筆本体、専用箱、ペントレーと、一つ一つ別の漆芸作家が作っています。

蒔絵は、器物の表面に漆で文様を描き、金・銀などの金属粉や色粉を蒔きつける日本独自の漆工芸。
正倉院には、奈良時代の蒔絵工芸品、金銀鈿荘唐大刀(きんぎんでんかざりのからたち:8世紀)が残されています。

全世界限定発売で25セット……世界中のお金持ちが大喜びで買いそう。
それにしても、1918年の創業直後に、海外向けに蒔絵万年筆を輸出しようと考え、しかも蒔絵師をグループで雇ったパイロットの創業者は、すごいと思います。

1884年、アメリカのL.E.ウォーターマンが、毛細管現象を応用したペン芯を発明し、万年筆は広く普及しました。
日本では、横浜のバンダイン商会が万年筆の輸入を開始。
当初、丸善などで「fountain pen」の直訳、「針先泉筆」の名前で販売されましたが、内田魯庵が名づけた「万年筆(萬年筆)」という商品名が一般的になっていきます。


日本に輸入されて130年。
「日本の伝統工芸品」として、独自の進化を遂げた日本の万年筆。
これから先、どんな形で進化するのでしょうか。ちょっと楽しみです。
ラベル:ペン 万年筆
posted by ゆか at 18:03| Comment(0) | 文具コラム | 更新情報をチェックする
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