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2018年10月19日

書く鉛筆と描く鉛筆

10B……

白い丸の中に「あ」と、ひらがな一文字が大きく描かれているパッケージに魅かれて、その商品を手に取りました。
中には鉛筆が2本。
木肌の色と白の軸と黒々とした芯の色が印象的。
「beginning pencil」「KITABOSHI STYLE」としか書かれていない。
どう考えても子ども向けの鉛筆じゃなさそうだ。

たしかJIS規格で鉛筆の一番やわらかい芯は6B。
……日本文具知識能力検定(文房具専門店販売員用資格)合格者は、ここでよけいなことに気づきました。

北星鉛筆は「大人の鉛筆」で有名なメーカー。
個人的には三菱鉛筆硬筆書写用6Bが好きで、北星鉛筆の「かきかたえんぴつ」の6Bと比較してみたことがあります。
三菱鉛筆の鉛筆は「油っぽくって字を書くための鉛筆」、北星鉛筆の鉛筆は「粉っぽくって絵を描くための鉛筆」という印象でした。

ちなみに、この鉛筆のパッケージの裏には「物を生み出す『一番初め』」「始まりの鉛筆」「クリエイターの自由な創造をアシストする」という、絵を描く者なら誰でも気になるキャッチコピーがちりばめられています。
この「beginning pencil あ」は、描くとどんな感じだろう? キャッチコピーに踊らされたわけじゃないけど、気になって買ってしまいました。

家に帰って『日本筆記具工業会』サイトで確認したけれども、やっぱりJIS規格では6Bですね。
ただし「書く鉛筆路線」爆走中の三菱鉛筆は、毛筆風の質感が出せる10Bの「筆鉛筆」を出しています。

「beginning pencil あ」は最初から「描く鉛筆路線」ですが、実際にレポート用紙に線を描いてみると……
北星鉛筆の6B「かきかた鉛筆」よりも、色が濃くて粉っぽく、鉛筆というよりパステルに近い質感。
ただし、色鉛筆ワークショップで使っているスタビロのパステル色鉛筆「カーブオテロ」よりは「鉛筆寄り」。
「描く」といっても、「色を塗る」より「線を描く」のに向いた鉛筆です。

面白いので『北星鉛筆』をのぞいてみると……さらに興味深い記述を発見。
「鉛筆の供養」。
鉛筆メーカーらしい発想です。

北星鉛筆は自社工場と「東京ペンシルラボ」内の「鉛筆地蔵」で供養する鉛筆を受け付けていて、大切に使い短くなった鉛筆(5cm以下)5本と北星鉛筆のオリジナル鉛筆1本が交換できる。
遠方の人向け代理供養サービスもある。
『オリジナル鉛筆との交換は、工場見学の特典となっておりますのでご了承ください。』と釘はさしてあるものの……

「鉛筆供養」の発想はすばらしい。
他社の色鉛筆でもいいのかな?

私は豊中市の小学校の「とよなか地域こども教室」で、400色の色鉛筆と白と黒のミニ絵本のワークショップを開いています。
毎回30〜40人が参加する人気のあるワークショップ。
大勢の子どもたちが色鉛筆を使うので、どんどん増える短い色鉛筆。
文検の知識を活かして、1本ずつ買い替えられる種類の色鉛筆を選んでありますが、短くて使いにくくなった色鉛筆の処分に困っていました。
文房具の寄付をつのる福祉団体は多いものの、大体が「新品に限る」になっていて。

「鉛筆供養」……いいアイデアです。

日本には昔から「人形供養」や「針供養」という風習がありますが、最近では「手帳供養」だとか「ハサミ供養」もあるらしい。
とりあえず、私の場合、「鉛筆供養」のほかに「消しゴム供養」と「鉛筆削り供養」をしなければいけませんね。
ラベル:鉛筆 文房具
posted by ゆか at 18:09| Comment(0) | 文具コラム | 更新情報をチェックする
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