「緑友会」は渋谷高校の同窓会。
会員数2万人余。
渋谷高校は大正6年、手芸女学校として開校。
池田市立渋谷高等学校時代を経て、昭和50年、大阪府立渋谷高等学校に。
実は、5年ほど前、図書委員の後輩(『確定申告だぜよ』で活躍)に「友達が役員やってて、「若者少ない」って嘆いてるんですよ。行きませんか?」と誘われ、総会に出たことがあります。
確かに若者は少ないのですが、意外に楽しいところでした。
今回は、事前に『同窓会サイト・ゆびとま』と『mixi・大阪府立渋谷高校コミュニティ』に、私が緑友会総会の開催通知をしました。
両方とも緑友会役員がいないようだから。
私は渋谷高校には借りがある(詳細は『90周年ですよ』)し、書記は私の図書委員の後輩。
会計が2人ともクラスメートでは、しかたがない。
特に『ゆびとま』は反応が早く、「香港在住ですので、残念ながら欠席です」や「昭和49年卒の方は来られますか?」などのメールが来て、いきがかり上全部答えるはめになり、まるで幹事。
転居を繰り返すと総会案内葉書が届かなくなり、渋高のことを気にしていた卒業生が多かったらしい。
サイトもあるのですが、あまり更新されていない状態なので。
今回は、友人のゆんさん(『謎の理系番組?』などにコメントあり)と参加。
初参加のゆんさんに「渋高なんだから、なんでもありなのよ」と言っておきました。
mixiからは、同学年のNiMaさんが参加。お会いするのは卒業以来23年ぶり。
さて、どうなることやら。
受付で会費支払いをすませ、番号札と、創立90周年記念特製クリアフォルダに入った資料(学校案内・「緑友会だより」同封)を受け取り、卒業年次と名前を書いた名札を胸につけます。
会場に入ると、バイキング形式で料理が並び、卒業年代別に丸テーブルが置かれ、壁際にたくさんの椅子があります。
年配の卒業生が多いことに配慮したのでしょう。
会場では、NiMaさんが待っていました。公務員で少林寺拳法5段。温厚な紳士。
さっそく「緑友会だより」を、3人で読みながら盛り上がりました。
同窓会の会報ですが、これを読むのは卒業以来。
緑友会は会報を発行して、年1回同窓会を開いているだけでなく、在校生に卒業記念品を贈ったり、卒業生や、その友人知人も含めてのゴルフコンペを開催したり、色々なことをしてるんだ。
……感心していると、総会がはじまりました。
まず、会長挨拶。
「緑友会を騙る同窓会名簿案内」への注意。
私の実家にも、「名簿作るから買え」との葉書が届きましたが、緑友会とは無関係の業者の仕業。
それにしても、記念すべき90周年総会が「詐欺に注意」の話からねえ。……渋高だからしょうがないか。
会長挨拶、会計報告……
NiMaさんが決算書の資料を見て「しっかりした財務内容だ」と感心していましたが、考えてみると、会計2人は一緒に会計事務所を経営しているので、きちんとした会計はお手のもの。
役員については、留任で一致。
役員は、なり手がなかなかないらしい。
卒業後、進学や就職などで、他府県に転居する卒業生が多いからです。
そして、元柔道部顧問のギター伴奏による校歌斉唱。
校歌の制定は昭和28年。
テンポのよい曲で、途中で高音部と低音部に分かれる難しい歌。
1年の音楽の実技試験曲……
今考えると、音楽の試験が校歌なのは変。
でも、みんな何十年たっても歌えるんですね。
そして、現校長が府立高校の厳しい状況を語りました。
近く行なわれる教育委員会の特例を受ける審査に、マスコット「しぶちゃん」を作ってプロモーション。
10月の創立90周年記念式典では、マスコットのお披露目と審査合格を報告したいと言っていましたが。
心配だなあ。
よほどデザインがよくないと、「しぶちゃん」で、落選するかもしれないよ。
学校案内によると、『読書活動優秀実践校文部科学大臣表彰校』『府立高等学校経営革新プロジェクト指定校』なんだから、こちらをもっとアピールすればいいのに。
来賓の挨拶が終わったところで、乾杯、アトラクションへ。
卒業生のプロの浄瑠璃師が、おめでたい演目を披露。
今年の司会は、卒業生の芸人ではないらしいけれど……
中日の中村紀洋選手をはじめ、渋谷高校の卒業生は多方面で活躍中。
私たちは、「昭和50年代卒」のテーブルで料理を囲んでいました。料理もおいしい。
遅れて駆けつけた後輩も、NiMaさんと知り合いで、意外な再会に2人は大感激。
「平成卒業」テーブルに、若者が1人で立っていましたが、様々な年代の先輩が彼に声をかけ、ついには、椅子を持ってきて、「平成卒業」テーブルで、彼を囲んで和気藹々と会食。
彼も楽しそうでした。
私たちのテーブルにも、先輩方が次々に訪れて、自己紹介に忙しい。
思い出話よりも今の自分の仕事などの話が中心。色々と珍しい話が聞けました。
宴たけなわには抽選会。
受付でもらった番号札で賞品が当たる。
「こんなんもらっても」と、ミッキーマウスのグラスを持て余す後輩。
「子供と花火だ」と、花火セットを当てたNiMaさんは大喜び。
ゆんさんと私は残念賞。
第59回卒業(2007年度)記念特製ラガールカード(関西の私鉄・JRなどが自由に乗れるプリペイドカード)1000円分。
「そっちの方がいいじゃないですか」と、後輩が悔しそうにしているところに、会計の元クラスメートが、大きな紙袋を抱えてやってきました。
白髪頭の下には柔和な笑顔。
「僕、役員やから、これ当てちゃって、困ってるねん。2人で、分けて持って帰り」
袋の中身はポプリやポーチ、紅茶の詰め合わせなど、女性向けの雑貨がぎっしり。
「こんなん、もらっていいの? 当ててもいないのに」
ためらう私に、ゆんさんが言いました。
「もらっておいたら。彼は役員だし。持って帰るわけにいかないもの」
「そうやねん。まあ、楽しんでってな」
そう言って、去っていったクラスメートと入れ違いに、緑友会副会長がやってきました。
「なんや。珍しい顔ぶれやな」
「ゆびとまと、mixiで声かけてきてもらいました。ゆびとまでは、問い合わせで大変でしたよ。私が幹事みたいで。私では詳しいことはわからないので。役員置いてください」
私がそう言うと、副会長はすこし驚いたようでした。
「……そうか。ゆびとまいう手があったか」
副会長は一瞬考えた後、言い放ちました。
「よっしゃ、ゆびとまとmixiは任せたで」
意外な発言に驚く私に、副会長は委任状を手渡すしぐさをしました。
「これからもよろしくな。裏幹事さん」
「あっ、勝手に決めないでくださいよ!」
思わず叫ぶ私をよそに、副会長は大笑いしながら去って行きました。
「あきらめたら。もう実績あるんだし。渋高なんだから、なんでもありなのよ」
ゆんさんに慰められたけれど、まだ納得いかない私。
最後に中締めの万歳三唱が行なわれ、参加者96名。創立90周年記念緑友会は、大盛況のうちに幕を閉じました。
今年は還暦を迎える昭和41年卒の方が多かったそうです。
帰る前、もう一人のクラスメートが、もらった景品を分けるための紙袋をくれました。
「来年も、また来てな」
もちろん、そのつもりですとも。
ラベル:同窓会