小学校で400色の色鉛筆を使ったミニ絵本ワークショップをすると、色鉛筆を使って英語で自分の名前を書いたり、好きな単語を書いたりする子がいるが、その数は確実に増えている。
小学校の英語教育も浸透してきたようだ。
そこに2020年度からプログラミング教育が始まる。
この本の監修者は東京都小金井市立前原小学校校長。
内容は8割の子ども向けの絵本と、2割の指導者向けの解説で構成されている。
絵本は子どもたちとロボットが買い物に行く物語や、プログラムが使われた身近な家電の紹介など、児童書の出版社が手がけただけあって、柔らかい線のイラストと大きな見やすい字で、わかりやすく親しみやすく描かれているが……。
問題は前原小学校の授業実践例が載った指導者向けの解説だ。
子どもたちが基礎的なコンピューター言語「BASIC」が扱えるマイコンボードとタブレット端末を使って、2本の腕と走行用ベルトがついた「カムプログラムロボット」を教室の床に走らせる写真が載っているが……。
ロボットをイメージ通りに走らせるためには、BASIC言語だけでなく数の合成や分解、小数の計算を理解していないといけないようだ。
まずいな。
プログラミング教育は、算数の授業と相当緊密に連携しなければ、目標の「考える力を身につける」達成どころか、大量の算数嫌いの子どもを生み出す危険性を秘めている。
ちなみに前原小学校は、総務省クラウドを活用する「先導的教育システム実証事業」の検証協力校で、「若年層に対するプログラミング教育の普及推進事業」の実証校。
IT設備の整った前原小学校と、一般的な設備しかない地方の小学校が、同時に同レベルのプログラミング教育を始めるのは難しいような気がする。
何らかの移行措置が必要なのではないか。
子どもの頃、分数の割り算が苦手だったファイナンシャルプランナーは、少し不安になった。
『プログラミングえほん@』 松田 孝 監修 フレーベル館
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