伊東屋のサイトで売っていたようなのです。
現在品切れ中なので、とりあえず、東急ハンズに実物がないか、確かめに行きました。
消しゴム売り場には、あるわあるわ。
定番の消しゴム『MONO』『Radar』。
人気の『カド消し』。
『ねり消し』『マークシート用』『製図用』……
別のコーナーでは、『ボールペン用消しゴム』『漫画用』。
『香りつき』『はんこ用』。
さらにキャラクターものも……
子供の頃から、なんとなく『Radar』一辺倒の私には、驚きの連続。
お目当ての、伊東屋鉛筆補助軸推奨、ステッドラー社の消しゴムはありませんでしたが、見慣れぬものを見つけました。
……『三菱E・KNOCK 事務用まとまるタイプ』。
ペン型ノック式消しゴム。
見た目はノック型のボールペンと同じ。
芯の部分が消しゴムで、ペンの頭をノックするたびに2ミリずつ消しゴムが繰り出されてきます。
実は、私は、鉛筆補助軸対応消しゴムのことを知った瞬間、「そんな細長い鉛筆みたいな消しゴム、びよんびよんして、消しにくくないか?」と心配したのですが、ホルダーつきなら大丈夫。
消したいところだけ、ピンポイントで消せるので、なかなか便利ですね。
三菱だけでなく、ステッドラー、トンボ、ロットリング、SEED、リラ……各社が競って、ホルダー入り消しゴムを発売しているのでした。
さて、『SEED消しゴム博物館』サイトによると、消しゴムは1770年、イギリスのプリーストリーが発見。
1772年に商品化されています。
日本では、大正4年、三木康作ゴム製造所(現在の株式会社シード)が消しゴムを生産開始。
昭和29年には軟質塩化ビニール樹脂により消す効果を高めることに成功し、その製法特許を取得。
昭和30年代には、「プラスチック字消し」を発売。
昭和43年には、私の愛用しているブルーのパッケージ、『Radar』が登場します。
『Radar』は「軽い消し味」が特徴……そうなのか。
私は、子供の頃から、どこででも売っている『Radar』一筋。
他社の消しゴムが並んでいても、なんとなく『Radar』を買ってしまい、ほかの消しゴムと消しくらべたことがなかったので、それに気づいていませんでした。
万年筆の「書き味」に対して、消しゴムの「消し味」という言葉があることを、今回の調査で、初めて知りましたね。
今、便宜上、「消しゴム」という表現をしていますが、天然ゴム製の「ゴム字消し」。
塩化ビニール樹脂の「プラスチック字消し」。
スチレン系の合成ゴムの「合成ゴム字消し」があり、正確には「字消し」なんだそうです。
『Radar』のライバル『MONO』を作るメーカー『株式会社トンボ鉛筆』サイトによると、消しゴムは、紙についた鉛筆の黒鉛の粒をゴムが吸い取り「字を消す」しくみ。
字を消すだけでなく、革製品や建具の汚れ落とし、金属磨きにも使えるとのこと。
『砂消し』に代表される「ゴム字消し」の材料は、天然の生ゴム、サブスティチュート、研磨材。
それらを混ぜ合わせ、型に入れ、加熱処理をすると消しゴムになります。
「プラスチック字消し」の材料は、塩化ビニール、可塑剤、粒子の細かい研磨材。
現在は、「プラスチック字消し」が主流ですが、最近、エコロジー消しゴムとして、「合成ゴム字消し」も増えてきています。
スチレン系合成ゴム字消しは、塩化ビニールを含まないので、焼却時の有毒ガスの発生が少ない。
今後、これが主流になるのかもしれません。
ところで、「消しゴムイコール安価で気軽な文具」……とは、最近言えない状態ですね。
『ナガサワ文具センター』サイトでは、オリジナルの革製「イレーザー・ジャケット・セット」を販売。
「ジャケット」といっても服ではなく、消しゴムカバーのこと。
全13色。
ロングジャケットとショートジャケット、オリジナルイレーザー3個つきで1260円。
「なんで、消しゴムに革カバーつけなあかんねん。じゃまくさい」とぼやいている、そこのあなた。
驚くなかれ、さらに、その上を行く商品があるのです。
『ファーバー・カステル伯爵コレクション・ホワイトイレーザー』。
ケースは、銀にプラチナメッキ。消しゴムつき。5250円。
「こんな高い消しゴム、誰が買うねん?」と思いましたが、人気商品らしく、『ワキ文具』サイトでは、品切れ中。
……なんだか底知れない消しゴム界。
面白いので、『株式会社トンボ鉛筆』のサイトのコンテンツ、『発見!文具パーク モノしりスクール』をのぞいてみました。
『えんぴつ博士』『消しゴム博士』『のり博士』『シャープペンシル博士』のカテゴリに分かれてクイズがあり、さらに初級・中級・上級に分かれています。
私は、『消しゴム博士上級』に挑戦。
全問正解で、見事『消しゴム博士上級』に。
……「そんなもん、合格してなんになるねん」とは、自分でも思うけれど。
知れば知るほど楽しい文具。消しゴム。
もちろん『Radar』が好きだけれど。
もうすこし、色々な消しゴムを試してみようかしらん。
ラベル:伊東屋