この本は、2018年6月から11月にかけて、日経産業新聞に連載された『働き方探検隊』をまとめたもの。
先進的な取り組みをしている企業の事例は興味深い。
すべての業務をリモートワークで完結させるソニックガーデン。
好きな仕事を好きな時間だけ働くパプアニューギニア海産。
最長で3か月の長期休暇が取れるヤフー。
前日の業務終了時刻と当日の業務開始時刻に、11時間以上間隔があいていなければアラートが鳴る住友林業。
週休3〜4日でも正社員になれるアクセンチュア。
社員に副業を奨励するロート製薬。
外国人労働者定着のために、母国に帰れる長期休暇を導入したウォーブンテクノロジーズ。
イスラム教徒の従業員に配慮して、オフィスの一角に礼拝室を設けたKNT-CTグローバルトラベル。
……読んでいて「こんなことして潰れないのか、この会社」と心配になるが、どの企業でも問題は起きていない。
ただ、従業員全員が新しい制度を受け入れるのに時間がかかるようだ。
特に印象に残ったのは、2020年に「24時間3交代・1日7時間労働」を実現するために、課員のマルチタスク化を進めている味の素だ。
「引き継ぎ・申し送り」の15分をなくすためにICTを活用。
書類作成などの工場でしなくてもいい作業は在宅で行うが、全員の月額給与を増額し、単なる人件費削減ではないことを課員に理解してもらっている。
……すごいなあ。
先日、『ユニークな福利厚生があるベンチャー企業10社をご紹介!』 という記事を書いたが、離職率の高いIT系のベンチャー企業は、福利厚生制度にさまざまな工夫を行っていた。
例えば、自転車通勤手当制度は、従業員は通勤ストレスがなく、会社は従業員に支払う交通費の総額を安くできる。
会社にも従業員にもメリットのある制度が構築できるかは、今後、会社の未来がかかった問題になるだろう。
『あの会社のスゴイ働き方』 日経産業新聞 編 日経ビジネス人文庫
ラベル:働き方改革
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