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2019年07月19日

護身の現実(後編)守るべきもの

「逃げるが勝ち」……というのは、確かにそうなんですが。喘息持ちで「走る」関連の運動にドクターストップがかかってた私は、走って逃げられないので、「危険なものが目前にある」という状態は避けたい。

『間接護身入門』(葛西眞彦著 日貿出版社)は、元刑事の著者が「現実に身を守ること」について、自分の経験を交えて赤裸々に語っている本なので「逃げられない場合」の対処として「危ない場所や人物に近寄らない」が、ちゃんと出てきた。

護身術の本では「実戦」について詳しく書いてある本が多いんですが、「逃げる」「戦う」以前に「近寄らない」。
ただし、「危険なモノが寄ってくる」ケースも多いです。
感染症、ストーカー、痴漢冤罪など。
先日も、逆恨みが動機の痛ましい放火事件があったばかりで、本当にやりきれない思いをすることが多くなりました。

ストーカーについては、「ストーカーに警察が注意して逆にエスカレートする」話がよく報道されてますが、実際は注意されるとやめるケースの方が多いと聞いて、ちょっと安心。
「痴漢冤罪対策」は「満員電車に乗らない」と「録音」なので、体を鍛えてない人でも大丈夫。

それにしても、護身術に「感染症対策」ってなんやねん……と思ったら、「突然暴れるタイプの危険人物は感染症を持っていることが多く、接近戦では病気がうつるリスクが高い」。
えっ、それは想定してなかった。

「間接護身」の定義が「本当に大事なものを護りたい人が知っておくべきこと」だから、自分や自分の大切な人を守る、つまり病気からも身を守ることも頭に置いておかないといけないんだ。
範囲が広いなあ。どうしよう。

驚いたのは「護身の方法」として、「証拠の保全」はわかるとして、「詫びる」が出てくるところ。
「自分から攻撃することのない武道」の合気道初段の私でも「「詫びる」って、護身術的に大丈夫か? 頭下げてるところを殴られたら終わりやんか」と思ってしまいますが、「詫びる」は無用なトラブルを避けるための間接護身の技術で、「謝罪して責任を取る」とは別のものらしい。
間接護身の秘密兵器「詫びる」を使える前提条件は「相手が興奮しているものの正気であること」みたいなので、「詫びる」より「避ける」の方が簡単で楽です。

巻末に「直接護身の具体的な方法」として、著者が教えている中国武術・競技推手の具体的な技法が紹介されています。
写真で解説されているのは「自由推手」というもので、組み合って力の拮抗した状態を作り、そのバランスを崩すことで相手を制する技。
「相手の力を利用して制する」合気道は、相手の力を正面から受け止めず、力の方向をずらすことでかける技が多いので、かなり興味深い武術だと思いました。
元警察官が書いた犯罪に関する本は、結構あるのですが、護身について、ここまで書いている本は珍しい。

「俺は腕に自信がある」と思っている武人の方も、ぜひ読んでおくとよいでしょう。
「とっさに自分が普段使ってる技をかけて、相手に大けがをさせて、逆に訴えられる」という無用な争いを避け、身を守るために。
ラベル:武道 護身術
posted by ゆか at 23:52| Comment(0) | 武道系コラム | 更新情報をチェックする
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