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2020年01月10日

寄る年波 (前編) 靴と骨

帰宅した夫の足どりがなんだか変。右足をひきずってる。

「右足どうしたん」
「段差から落ちた」
「足がなんかなってるんとちゃうんか」
「いや、大丈夫や」

……なんか不吉だ。
夫の「大丈夫や」はあまりあてになりません。
「腹痛いけど大丈夫や」といって「実は盲腸」とか、大量の鼻血を出しながら「大丈夫や」と言ったりするから。

確かに空手4段剣道3段少林寺拳法3段大東流合気柔術2段柔道初段。
若い時は、かなり無茶な稽古をやったらしい。
「俺も昔は厳しい稽古したから、これくらいの痛みぐらい気合いで乗り越えたる」という気持ちはわからなくもないけど、体はいつまでも若いわけじゃないんですよ。

「大丈夫や」

そう言って、翌日出勤して……

「右足が痛くて歩けん」
「さっさと病院にいかんからや」

診断結果は……足の踵の骨にひびが入ってました。
全治3か月。自宅静養。

「骨折じゃないんか」
「骨折やったら歩かれへんわ」
「……いつまでも若いわけやないんやで。それにしても、よく今まで我慢してたな」

加齢による骨量の低下や骨粗しょう症のリスクは、どうしてもさけられない。
有酸素運動が骨量を増加させるらしいんですが。
……ランニングとかウォーキングとか水泳とか、あんまり好きじゃないしなあ。

夫は1か月家で安静にした後、足に装具をつけて、徐々に歩行訓練をしていくことになりました。
夫の足を採寸して作られたのは……

「靴底?」
「いや、これは装具や。これを履いて歩いたら足にかかる衝撃が減る」
「ギブスで固めて一気に治しゃいいのに」
「無茶言うな」

結局、夫は3か月で回復して職場復帰しましたが。いやあ。大変だった。

「武道家は不死身」みたいなイメージが強いですけど、実際の武道家はケガが多く、「膝が痛い」とか「腰が痛い」とか言いながらも、武道を続けてたりするんですね。
最近の武道関係の動画を見ていると、身体的に無茶な動きをする武道家が、案外たくさんいるので、ちょっと心配になったりします。

武道が隆興した江戸時代の人の平均寿命は30代半ば。
塚原卜伝(鹿島新当流)が89歳。柳生石舟斎(柳生新陰流)が78歳。
「剣豪」と呼ばれる人は意外に長寿ですが、普通に道場で稽古している人が、50代、60代に突入して、体力的にいつまで武道を続けられるのか……
自分のことも含めて、ちょっと見当がつかないなあ。

……次回に続く
ラベル:健康 武道
posted by ゆか at 23:45| Comment(0) | 武道系コラム | 更新情報をチェックする
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