この頃、ファイナンシャルプランナーの勉強会に出ると必ず「老後資金2000万円問題」が話題になった。
「2000万どころか3000万でも足りない」という意見もあったが、私は個人的に「健康で65歳以降も働くなら2000万円もいらない」と思っている。
金融庁の出した数字「老後資金2000万円」は「65歳の夫と60の妻の両方が無職で年金暮らし。毎月5.5万円の貯金を取り崩しながら、それぞれが30年後まで生き続ける」というのが前提条件になっているからだ。働けば収入が増えて取り崩す金額が減る。
「健康でできるだけ長く働けること」が最大の老後資金対策だと考えている。
この本の著者は経済評論家とファイナンシャルプランナー。
それぞれの立場から「老後資金2000万円問題」に斬り込む。
最大の特徴は、さまざまなタイプの人の老後に実際に必要な金額を「人生設計の基本公式」を使って、具体的な金額を割り出していること。
iDeCoやNISAの使い方、確定拠出型年金運用のコツなども載っていて親切だ。
ちなみに、この本が発行されたのは2019年11月17日。
その後、中国・武漢で発生した新型コロナウィルスによる肺炎は世界的な大流行となる。
世界中の株価が暴落し、iDeCoやNISAに深刻な影響を与えた。
感染を防ぐために日本中の学校が休校になり、外出の自粛要請は飲食店に多大な損害を与えた。
さまざまなイベントが中止や延期に追い込まれて、イベント産業の損害も大きい。
2020年3月19日には、感染者数が多い大阪府と兵庫県間の不要不急の往来を自粛するよう、政府から要請が出ている。
この本が発行されてから、たった半年で投資を取り巻く環境は激変した。
世の中何が起こるかわからない。
老後資金資産運用は本当に難しいと思った。
『人生にお金はいくら必要か(増補改訂版)』 山崎元・岩城みずほ 著 東洋経済新報社
(この記事は2020年3月20日時点の情報を元に書かれています)
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