今、令和2年の5月末を迎えようとしているが、令和2年の正月に…新型コロナウィルスによる肺炎が流行し、世界経済が大混乱。
日本でも、開かれるはずだった東京オリンピックは延期。
外出自粛、休業要請で、大勢の人が困窮する事態を、誰も想像していなかったはずだ。
この本の著者は、シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソンなど、有名企業で社長職を務め、昭和・平成・令和と50年以上、ビジネスの最前線にいる。
その著者が考える「理想の上司・部下としてのありかた」とは…
『サラリーマンの幸福の80%以上は上司で決まる』
家族よりも長い時間を過ごす人間関係なのに、部下は上司を選べない。
ただし、上司も部下を選べない。
だから部下は飲み会で上司に対する愚痴をこぼし、上司は期待外れの部下を嘆く。
このあたりは、昭和も平成も令和も変わらないらしい。
どちらかといえば上司が読むべき本だが、実は、この本にはほとんど出てきていないのが、平成になってメジャーになった働き方のパート・アルバイト・派遣社員・契約社員・業務請負(フリーランス)。
単純に「正社員の上司」と「正社員の部下」の人間関係しか出てこないところが「昭和だなあ」と思った。
令和の現在、「ジョブ型正社員(職能や勤務地が限定された正社員)」だとか「会社に所属しながら個人事業主」だとか、「在宅勤務で出社してこない社員」だとか、平成のころより、もっと職場の人間関係が複雑化しているが、昭和も令和も上司の仕事は「人を育てること」だというところは、全然変わっていない。
ちなみに、さまざまな企業のトップを経験した著者にも、降格の経験があって、その時何をしたか…それが非常に気になったが、「自分を厳しい目で点検」「仕事の原理原則を再確認」「プロセスを重視して焦らず成果を上げる」と、あっさりとまとめているので、その部分にもう少しページ数がさいてあればよかったのに。惜しい本だ。
『上司と部下の教科書』 新 将命 著 致知出版社
(この記事は2020年5月29日時点の情報を元に書かれています)
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