うっかり床に落としただけなんですが、ハサミの刃の接合部、カシメのプラスチックが割れてしまい、ハサミがバラバラに…ショックでした。
愛用していたハサミはコクヨ「エアロフィット・サクサ」。
ガムテープを切ってもベタベタしないフッ素コートの刃。
ハサミのリング部分がやわらかく、使っているうちに手になじんでくるところが魅力でした。
あわててネットで発注しようとしたら…まさかの廃盤。
チタンの刃の高級モデルはあるのですが、紙を切るためのハサミだから、チタン刃を使うまでもないような気がする。
久しぶりに別のメーカーを探してみようか…
と文具店をのぞくと、ある商品が私の目をくぎづけにしました。
プラス「フィットカットカーブ フッ素3D刃」。数量限定「和柄刻印」。
色とりどりのグリップ。
フッ素加工の濃いグレーの刃に、白で和柄が描かれた品のよいデザイン。
白いグリップの「うさぎ」。
ライトブルーのグリップの「ふじ」。
ピンクのグリップは「さくら」。
キャメルのグリップは「いぬ」。
紺のグリップは「おすもう」。
ライラックのグリップが「つばめ」。
どれもかわいい和柄ですが、富士山や相撲取りが描かれているところをみると、オリンピックで増えるはずだった外国人観光客を狙った商品だったのかな?
外国人観光客じゃないけど、私は「数量限定」という言葉に大変弱く、三日月と跳ねているウサギが描かれている「うさぎ」柄のハサミを買ってしまいました。
税抜き価格700円とはいえ、見栄えで選んでしまったけど大丈夫かな。
「やわらかいエラストマー樹脂のグリップで、長時間使っても手に負担がかかりにくい」というようなことがパッケージに書かれているけれども、本当なのか?
心配になって大急ぎで家に帰り、ハサミの使い心地を試してみました。
思ったよりグリップがやわらかく、手が痛くなりにくそうです。
面白いので、このハサミの正体を調べてみました。
この「フィットカットカーブ フッ素3D刃」は、通販やフリマアプリの普及で、家庭で段ボールやガムテープを切る機会が増えたことを背景に開発されたらしい。
力が一か所に偏らない「ベルヌーイカーブ刃」。
3D設計で紙と刃先の接点を減らし、さらにべたつかないようフッ素加工を刃にほどこしたハサミ。
原型の「フィットカットカーブ」が、2012年度グッドデザイン賞受賞するほど美しいデザインのハサミなので、まあまあの買い物だったらしい。
ハサミ選びは「切れ味」以外に「自分の手にフィットするか」「長時間使っても疲れないハサミか」という個人差が出るもので、相性のいいハサミに出会うのは意外に難しい。
ハサミの試し切りをさせてくれる文具店はないし、地方都市には文具カフェがないので、パッケージだけで判断しなければならない博打のような買い物です。
愛用の「エアロフィット・サクサ」が壊れてしまったのは残念だけど、偶然にも、同じレベルの切れ味の新しいハサミが手に入ったのはラッキーでした。
(この記事は2020年8月14日時点の情報を元に書かれています)
ラベル:文具