「コロナのため、当分の間休みます」の貼り紙が、いつのまにか「貸物件」の貼り紙に変わってしまっていることにも、さほど驚かなくなってしまった…。
この本の奥付は2020年5月10日で、全国的な緊急事態宣言が出たのが4月16日。
全面解除が5月25日。
8月20日時点で、コロナウィルス感染拡大第2波の被害が広がっている状況では「古い情報」といえなくもないが、この本の著者は、産業再生機構でJAL、りそな銀行、東京電力など、国家レベルの企業再建に関わった人だ。
今は金融システム、空の交通は、電力の安定供給を維持するために、それらの企業が国の力で再生されたことは納得しているが、産業再生機構が活躍していた当時、「大企業だから国が救うのか」という批判が非常に強かったし、私も疑問に思っていた。
その企業再建の専門家からは、コロナショックはどのように見えているのか。…
この本には、これからの時代の、修羅場の経営者の心得を中心に書かれている。
「最悪の想定ができる想像力」「情報公開」「現金残高管理」「トリアージ」「即断即決」「タフネス」「2種類のお金を用意する」「ネアカ」。…
「2種類のお金」は、日々の資金繰りのお金と、これからの変化に対応するためのお金のことだが、自分でも、目先のキャッシュフローばかりが気になって、コロナ禍が収まってから必要なお金について、具体的な金額が、まだ計算できていない。
今は政府から給付金や無利子の融資がバンバン出て、仕事がなくなった人々は、当座の生活費や事業にあてている。
給付金の財源には限界があるから、いずれ、ある時期がきたら、国や自治体の大々的な支援は打ち切られてしまうが、その時になってどうするのか。
想像もつかない。
この本で提案されている「悲観的・合理的な準備、楽観的・情熱的な実行」が完璧にできるかはわからないが、可能な限り準備したい。
『コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画』冨山和彦 著 文藝春秋
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