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2020年09月11日

距離感(前編) 剣の間合い

「ソーシャルディスタンス」…この半年ほど、武道家を苦しめていたものの一つ。この半年、どれほどの数の道場が「稽古中止」に追い込まれたことか。
どれほどの数の演武会が「開催中止」を決断しなければいけなかったことか。
ネット上で何回「稽古できない!」という悲鳴を聞いたことか。


武道の稽古は…

・密閉状態になりがちな道場
・大勢で集まる
・人との距離が2メートル以内になる
・大声で気合いを出す
・身体が密着する

と、政府が避けるように要請した「三密」に反することばかり。

私も「西日本古武道大会、中止なのか」と残念に思いましたが、演武する方の悔しさは私の悔しさの比ではないはずです。

もっとも私の場合、「基礎疾患があるんだから、コロナには気をつけないと。肺炎になったら終わりですよ。血中酸素濃度測定器と血圧計を買って家で記録する習慣をつける。もし、酸素濃度が96%切るようなら、即病院に行くこと」と言われてるような状態だから、稽古どころじゃないけれども。

喘息のコントロールのピークフローメーター、体温計と体組織計の計測と、わずらわしいことが多いのに、さらに酸素濃度計と血圧計が加わるのか。あーあ。
でも、健康にはかえられません。
年をとると、こうやって、どんどん面倒なことが増えていくんですね。

ちなみに、「ソーシャルディスタンス」と同じ距離が、剣道の間合いの基本「一足一刀の間合い」。
お互いの竹刀の先、約10cmのところが交わる距離で、約2メートル。
意外に離れていそうで近い。
しかも、打ち合いや体当たりのような「密着」があるので、剣道も稽古が大変。

公益社団法人 大阪府剣道連盟『コロナに負けるな 剣道稽古再開に向けて 大阪版ガイドライン』(令和2年6月8日初版)
は、どうやってコロナウィルス感染防止対策をしながら稽古するかを、わかりやすく紹介しています。

手洗い・換気・マスク・熱中症対策・体温測定・密集・密着を避ける…
ここまでは一般的なコロナウィルス感染防止対策ですが、この先の配慮が一味違う。

飛沫感染対策として…
「剣道の面の下にマスクとフェイスシールドをつける」「正座や座例なしで立礼」「床に手をつかない」「声を出さない」「更衣室の剣道談義の禁止」「ふれたところ、特に床の消毒の徹底」
…まだまだありますが、非常に細かい。

なぜ、これだけ細かくルールが定められているか…
大阪府は特に感染者が多かったからです。

稽古の後は「寄り道をしない」「家に帰れば即座にシャワーを浴びる」「道着袴、てぬぐい類の選択」「防具はきれいなタオルで清潔に」。

このPDFは、ほかの武道の稽古でも、感染防止対策の参考になるでしょう。
実は、剣道以上に「ソーシャルディスタンス」に悩まされている武道が結構あるのですよ。

次回に続く…

(この記事は2020年9月10日時点での情報を元に書かれています)
ラベル:武道
posted by ゆか at 23:49| Comment(0) | 武道系コラム | 更新情報をチェックする
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