「掃除」じゃなくて「模様替え」の方です。
寸法を測り、図を描き、実際に物をおさめてみて、動線を確認して、「ちょっと違うな」と首を傾げ…その繰り返し。
特に今後「申請書を書く」機会が格段に増えるので、これまでのファイリングじゃ難しい。
「そんなもん、全部スキャンしてデータ化したらいいやんか」という方もおられるかもしれませんが、いざという時、夫がデータを探せるか…となると、かなり心もとない状態です。
夫が入院して半年。やたらに申請書を書きながら、時々「もし、これが逆だったら」と思うと胸がざわざわしてきます。
なんでもかんでも「とっとけ」という夫ですから、たぶん、郵便物をそのまま放置して…部屋の片隅に書類が山積みになってる光景が目に浮かびます。
ああ、どうしようかなあ…
例えば、私が交通事故で入院した場合、夫が保険証券を探し出して、保険金を請求できる…程度には書類を整理しておきたい。
そこで、2冊の本を用意しました。
『キングジム 超整理術213(キングジムファイリング研究室編 KADOKAWA)』と『コクヨのシンプル整理術(コクヨ株式会社著 KADOKAWA)』。
若い文具愛好家の中には「テプラのキングジムが、なんでファイル出してるんだろう?」とか、「キャンパスノートのコクヨが、ファイルばかり作ってるのはなぜ?」と思われてる方もおられるかもしれませんが、実は両方とも帳簿を作る会社からスタートして、それぞれ「キングファイル」「フラットファイル」というロングセラーを持っています。
沿革を比較してみると、非常に面白いことがわかりました。
キングジムが1927年に創業して、1947年にファイル類を作りはじめているのに対して、コクヨは1905年に創業して、長い間、紙製品のメーカーでした。
1956年に「フラットファイル」を作りはじめ、1960年にスチール製のファイリングキャビネットを発売して、オフィス家具メーカーとしても発展していきます。
一方のキングジムは1988年、ファイルにタイトルや見出しを作るための「テプラ」を発売。そこから「ポメラ」「ショットノート」などのヒット作を出して、デジタル文具メーカーへと成長していきます。
「オフィスの情報をどう整理すればいいのか」という同じテーマを100年近く考え続けてきた、二つの文具メーカーが出版したオフィスの整理術の本は面白い。
キングジムには213、コクヨには100の文具を使った整理のコツが書かれていますが、キングジムが図解を駆使して「ファイリング・スピリッツ」みたいな心得を説くのに対し、コクヨは整理が楽しくなるような、小さなアイデアを文具の写真つきで紹介。
それにしても、両方の見出しを並べてみると面白い。
キングジム
『ファイル管理表を作成する』、コクヨ
『時系列で記録を整理して保存する』。
キングジム
『整理とは捨てること』、コクヨ
『捨てるためのルールを決める』。
キングジム
『分類に迷ったら“迷い箱”に入れる』、コクヨ
『分類は「その他」からはじめる』。
キングジムが「問い」、コクヨが「答え」みたいです。
両方とも「整理術に絶対的な正解はない」としながらも、キングジムが「チーム一丸!ファイリングのルールを徹底!業務効率化推進!」。コクヨは「人それぞれだし。働き方に合った文具で、楽しくファイリングすればいいんじゃないですか」みたいなことを言っている。
ニュアンスが全然違う2冊ですが、キングジムの本でファイリングの筋道を立てて、コクヨの本の写真を参考にして文具を選ぶ…これがいいかも。
ファイリングは目標を定めないと成功しないそうですが…今、うっかり「夫が保険証券を探し出して、保険金を請求できるレベルのファイリング」と書いてしまって後悔しています。
よく考えると、保険のことが夫にもわかりやすいようにファイリングするには、保険証券と請求の仕方のマニュアルをワンセットにしとかなきゃいけないんじゃないか…
大変なことになりました。
とりあえず、帰宅した夫に「相変わらずちらかっとんな」と言われないようにがんばります。
(この記事は2020年10月15日時点の情報を元に書かれています)