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2020年11月20日

武道とリハビリ(前編)変化

ようやく夫が退院。夫が退院してくるのはうれしい。しかし、怖い。
約8か月の長期の入院生活。コロナウィルス感染防止ための面会制限。
面会時間も30分程度なので、夫がどう変わっているか、よくわからないのです。

退院後は、しばらく他の病院でリハビリを続けて、職場に戻る予定ですが、生活が具体的にイメージできず、不安がつのるばかり。

「退院後の食事についてですが、年齢のこともありますし、塩分は6g以下にしてくださいね」

夫の主治医の言葉に、一瞬うろたえました。

「6gってどのぐらいですか?」
「小さじすり切れ1杯程度です」
「うーん。塩単独で、そこまで多く使ってないと思いますが」
「味噌や醤油は塩分が多いんですよ。食品そのものの塩分を含むと、簡単に6gを超えてしまうことがあります。例えば、ごはんよりも食パンの方が塩分が多いです」
「トーストでバターやマーガリンを塗ると……」
「塗る分量にもよりますが。他の食事の塩分を合わせると、1日6gを超える可能性がありますね」
「どうしましょう」
「管理栄養士の栄養指導を受けてみますか」
「お願いします」

夫は濃いめの味付けが好きでした。
私が作る料理を食べる前に塩コショウをふりかけ、「そんなに私の料理が不満かっ!」「お前の料理は味薄いからや!」なんて喧嘩するのは日常茶飯事だったので、どう料理を作っていいのかわからない。

「味の素」が運営する『Ajinomoto Park』に減塩のコツが載っていますが……


カップ麺1個の塩分が5.5g、握り寿司(醤油含む)5.0g、天丼4.1g、カレーライス3.3g……
まずいな。1日6gなのに、1食分でこれだけ塩分があるなんて。

麺類の汁は飲まずに捨てる。
みそ汁は野菜を具だくさんにして汁を減らす。
だしを濃くする。
ハーブやスパイスでアクセントをつける。
酸味で塩分の少なさをカバーする。

そういう工夫もできるけれども。

そもそも自分が作る料理に、どれだけ塩分を使ってるか、見当がつかない。
管理栄養士は「そんなに厳格にやらなくてもいいんですよ」と、にこやかでしたが、もらった減塩食のレシピ集を見て自信喪失。
すごく材料の指定が細かい。
手ばかりで肉のひとつかみが約150gなのは知っているけれども、「人参40g」となると、どんな分量かわからない。
これまで人参は「1本」「半分」「4分の1」という大雑把な単位で料理していたのです。

どうしよう。退院の日はどんどん迫ってくる。
とりあえず、キッチンスケールと塩分計を買うとしても、毎日、きちんと減塩料理を作れるんでしょうか。
夫が病院で出された料理を撮影して、画像を送ってきてくれるけれども……不安。

『世間の高血圧やダイエットの皆さんは、どんな工夫をされてるのかききたいものだ。』

Twitterで愚痴を書き込むと、武人のフォロワーの皆さんから、簡単にカロリー計算できるEXCELの書式や、減塩仕様のコンビニ弁当の画像など、さまざまな情報をいただきました。
本当にありがたいことです。

「なんで武道家が塩分やカロリーを気にしてるんだ?」と思われた方もおられるでしょうが。
筋力をつけるためにプロテインを飲んだり、体脂肪を落とすためにカロリー制限したり。食事に気を使っている武人は多いのです。

病院から1か月分の献立表をもらったので、それを参考にして、きちんと材料を量って、時々、カロリーや塩分表示がある加工食品を組み込んで変化をつける。
それだったら、なんとかできる気がしてきた。

そして、いよいよ夫が退院。
退院した日の夕方に、塩分計で量った塩分1.5gの料理を出すと、夫は予想外な反応をみせました。

「もうちょっと味薄くしてくれ」
「塩分1.5gしかないで」
「病院は、これより薄かった」

味覚をつかさどっている感覚器「味蕾」は、10日で細胞が入れ替わります。
夫は、8か月という長い入院生活の間、管理栄養士が塩分を厳格に計算した食事をとり続けたために、味覚が変わり、私よりも薄味好みの人間になっていたのでした。

これで食事の問題は、ほぼクリアできましたが、あとは、どうリハビリをやって体力を取り戻していくかですね。

……次回に続く……
ラベル:武道
posted by ゆか at 23:52| Comment(0) | 武道系コラム | 更新情報をチェックする
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