「通院リハビリは週3回程度、集中してやりましょう。もちろん、家でも筋トレしてもらいます。早ければ早いほど効果が上がりますから」
いきなり体育会系的な話になってしまいました。
病院まではバスを使いますが、家からバス停まで、かなりの距離を歩かなければなりません。
通院そのものが強力なリハビリなので、病院では、その時々で健康状態をみながら、ストレッチを中心に、筋肉のバランスを整える方向で調整していくことになりました。
病院に行くと、医師の診察があり、そこで、その日にリハビリできるかどうかを決定します。
それから、リハビリテーション室で歩行訓練を中心に、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの専門スタッフによるリハビリテーション。
「歩行に大切なのは歩幅です。まず、歩幅を広げること。それには、足の裏側、ふくらはぎや太もものストレッチが大切です。ストレッチで歩幅を広げることができます」
それを聞いた時は半信半疑でしたが、確かにストレッチ前と後で、夫の歩幅が違っている。
ストレッチ恐るべし。
最優先で夫に必要なのは、アキレス腱や、ふくらはぎ、太ももを鍛えるストレッチで、理学療法士に、無理のない範囲で家でもできる簡単なストレッチの方法を、3つ教えてもらいました。
1.ベッドの上で横になったままできるアキレス腱を延ばす運動。
片方の膝を曲げて足を宙に浮かせ、棒状にしたタオルを土踏まずに引っかける。
ゆっくり足をのばしつつ、両手でタオルを引っ張り、アキレス腱を延ばす。
両足30秒を10セット。
2.深呼吸しながら開脚前屈
床に座って両足を広げ、ゆっくりと体を前に曲げる。
できる範囲でかまわない。
3.壁に向かってつま先立ち
壁に向かって両腕を真上に上げる。
壁に両手をつきながら、お腹を壁につけるようなイメージで、ゆっくりと腰を反らせる。
この時に足はつま先立ちに。50回。
確かに家で簡単にできるストレッチなんですが……私がやっても、これはきつい。
武道の足さばきのための筋力づくりにも役立ちそうです。
「今日はぬくいなあ」
「そうやねえ」
一時は命が危うかった夫ですが、こうして、家に戻ってきて、一緒にゆっくり歩いて買い物に行ける程度に回復してくれたのが、それだけでもうれしいです。
(この記事は2020年11月27日時点の情報をもとに書かれています)
ラベル:武道
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