というのは、「袴」について、私の記憶が確かならば、最後に書いたのが2011年03月15日の『腰折袴(後編)袴再生』だったと思うんです。
2011年……あれから10年も経っていることに、今、自分でもびっくりしていますが、10年たつと「袴」事情も変わっているはず。
今回は、さまざまな「袴を履く武道」……「剣道」「居合道」「合気道」「弓道」などの「袴事情」についてみていきましょう。
2008年8月16日の武道系コラム『袴考(前編)袴の武道』で、「武道の特性によって袴の形態が違」という話をしています。
例えば、合気道は飛んだり跳ねたり投げられたりと、比較的動きが激しいので、「馬乗袴」という裾がズボンのように2つに分かれた袴。
それに対して、弓道は「馬乗袴」の他に、裾が分かれていないスカート状の「行燈袴」があります。
弓具専門店の「京都東山堂平安弓具店」に、弓道の道着や袴のことが詳しく書かれていますが、高段者、5段以上の昇段審査になると、道着ではなく、黒紋付の和服で審査に臨むらしい。
弓道は、ものすごく規定が細かいです。
それにしても懐かしいなあ。
3級になって、初めて紺袴を買う時に「綿の袴はシワになりやすくて、洗濯が大変だから。テトロンの袴にしておきなさい」と有段者に言われたことを思い出しました。
綿の袴は通気性がいいのですが、高い。
私が夏向きの道着を買った「京都・東山堂」のオンラインショップには、合気道袴の選び方が載っています。
京都西陣で仕立てた「武州本藍染極上合気道木綿袴」は、税込24,750 円の高級商品。
「武州藍染」は、今年の大河ドラマ『青天を衝け』で登場する埼玉県深谷市近郊の藍を使った染物。
使っているうちに風合いがよくなっていくんでしょうが、シワになりやすく洗濯で縮むという弱点がある。
綿、テトロン、ポリエステル……うーむ。ストレッチ素材の袴か。便利かもしれない。
いろいろ調べていくと、今時の武道の袴は、恐ろしい進化を遂げていたのでした。
次回に続く……
(この記事は2021年4月16日時点の情報をもとに書かれています)
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