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2021年12月10日

『霞が関のリアル』

『国家公務員に冬のボーナス支給 平均支給額 4年連続で減少』……「NHK NEWS WEB」、 2021年12月10日付の記事だ。
平均年齢34.2歳で65万1600円というのは、安いのか高いのかわからないけれども、激務のわりには安いかもしれない。

この本は、2019年3月からNHKのWEBサイトで連載されている『霞が関のリアル』を1冊の本にまとめたものだ。

以前から気になっていた連載だが……
官僚の激務ぶりは凄まじい。毎晩、夜中にタクシーで帰宅し、朝は定時に出社する。
いつ寝ているのかと心配になるのだが、実際、寝ていないらしい。
国会の会期中になると、法案や予算案の作成、国会答弁の原稿や資料作成と、ますます忙しくなり、コロナ禍がはじまってからは、24時間対応……

読んでいる方が過労死しそうだ。

労働時間は「労働基準法」で定められた時間をはるかに超えているが、残業代はほとんど出ない。
それは国家公務員が「労働基準法適用対象外」となっているからだ。

……ここまで読んで、思い出した。
もしかして「労働三法」とのからみか。

「労働基準法」と「労働組合法」「労働関係調整法」の3つが「労働三法」。
労働者が組合を作って雇用者に交渉する権利を保証した「労働組合法」。
労働者と雇用者の労働争議を予防、解決するための「労働関係調整法」。

もし国家公務員に「労働三法」が適用されると……警察官や自衛官がストライキを起こした時のことを想像しただけで恐ろしくなる。
映画『ロボコップ』の世界だ。

ちなみに「一般職」と呼ばれる事務方の国家公務員の勤務時間は、平成6年に定められた『一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律(勤務時間法)』で「1週間当たり38時間45分(休憩時間をのぞく)」とされている。

しかし、通常勤務とは別に、「設備の保全」「外部との連絡および文書の収受」「緊急事態」に関しては、各省各庁の長が勤務を命じることができる。
どうやら、官僚の異常な勤務時間の長さは、この法律が原因であるらしい。

官僚が過労死しない程度に働けるルールが早急に必要だと思った。

『霞が関のリアル』 NHK取材班 著 岩波書店

(この記事は2021年12月10日時点の情報をもとに書かれています)
ラベル:仕事
posted by ゆか at 23:49| Comment(0) | 本読みコラム | 更新情報をチェックする
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