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2022年05月27日

『10代のためのお金と投資』

2022年4月から高校の授業で「金融教育」がスタートした。どんなことを教えているのか、気になって仕方がない。


この本の表題にある『今の君から将来の君自身へ』という言葉が胸に刺さる。

円高不況の年に社会に出て、バブルの恩恵はほとんど受けられず、バブル崩壊で失業の憂き目にあった。
その直後から22年にわたる長い介護で、お金のことで悩まされる。

ファイナンシャルプランナーの道に入った理由の一つが、「お金のことについて知らなさすぎる自分をなんとかしたかった」だった。

学生時代に、きちんとお金のことを学べていたら、その後の人生は、かなり変わっていたはず……
そんな後悔を引きずりながらページをめくる。

巻頭に「学校では教えてくれない大切なお金の話 あなたはどのくらい知っていますか?」と、読んでる方がぎょっとするフレーズがあったりするが、中身は読みやすいレイアウト。

『お金が2倍になる72の法則を知っていますか?』
『預金と貯金の違いがわかりますか?』
『電子マネーの種類をいくつ知っていますか?』

一言で説明するのが難しい問題ばかりが並んでいる。
しかし難しい漢字にふりがながついているので、子供にとって読みやすい。

「暗号資産(仮想通貨)ってどんなもの?」「YouTuberはお金持ち?」「オンライントレード・デイトレード」など、流行りの時事用語についても、図やイラストをふんだんに使って丁寧な説明で好感が持てる。

「銀行に預金するのも投資のうち」「ここだけのもうけ話が、なぜあなたに来るのか」「お金の3つの役割」など、経済の仕組みに突っ込んだ話を、うまくまとめている。

読んでいるうちに、これは「子供向けの本」というより「大人向けの本」ではないのかという気がしてきた。
子どもだけでなく、大人も読んでおくと、お金のことで間違った判断をしにくくなるのではないか。

『投資には絶対はありません』『投資で成功したいなら勉強が必要です』と、安易に投資を勧めないスタンス。
大事なところはきちんと抑えている。

「こういう本と学生時代に出会えていたら」と少し胸が痛んだ。

『10代のためのお金と投資』 大泉書店編集部 編 大泉書店
ラベル:お金 教育
posted by ゆか at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 本読みコラム | 更新情報をチェックする
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