『【新製品】捨てられるはずだった古本を再生した「本だったノート」を広島 蔦屋書店で独占先行発売開始』
2022年8月27日から全国で発売される「本だったノート」を、8月14日から広島の蔦屋書店で先行発売……という内容。
このノートは、新聞紙を思わせるグレーがかった色と質感。
パステルカラーを取り合わせた表紙はきれいだけれども、A6判(文庫本サイズ)、128ページで税込880円。
再生紙の割にいいお値段だなあ。
「再生紙を使ったノート」なら、コクヨの「キャンパスノート」とか、無印良品の「再生紙ノート」が有名ですが、「本だったノート」を作ってるのは、ネット古書店のバリューブックス。
バリューブックスが1日に買い取る本が約2万冊。ネットで販売できる価値がある本が約1万冊。
残りの1万冊は……
学校や病院、老人ホームなどの施設に本を寄贈する「ブックギフト」。
リユース率が90%を超える出版社に利益を還元する「VALUE BOOKS ECOSYSTEM」。
無印良品と提携して古書を売る「古紙になるはずだった本」。
アウトレット本屋「Valuebooks Lab」など、さまざまな方法でリサイクルしています。
それでもダメだった本だけがノートになるのですが。
バリューブック公式サイトの『本が命を終えるとき−古紙回収のゆくえを追う−(2019年1月20日付)』では、本がパルプに戻る様子が動画と写真でレポートされています。
その工程は、こんな感じ。
1.バリューブックスが長野県上田市に持っている倉庫から本を集める
2.長野県東御市の古紙回収業者の工場で、1トン単位で本を圧縮して箱状に固める
3.箱状になった本を長野から静岡富士市の製紙工場に運搬
4.本をドロドロに溶かしてパルプにする
5.パルプを紙にする
これだけ手間がかかっていたら、文庫本サイズで880円は、当然かも。
それにしても……
「著者の情熱」「編集者の努力」「印刷会社と製本会社の技術」が結集してできた「本」が、スクラップ同様に「重さ」だけで測られて、溶かされていく。
自分の著書はあるし、携わって出版された本もある私としては、記事を読んでいてせつなかったですね。
「本」って何なんだろうなあ……。
必要な人に必要な数だけ本が届く、オンデマンド出版が、もっと普及すればいいのにと思いました。
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