「お役所も紙での申請やめたらいいのに」という声も強いが、行政が気にしているのは「デジタルデバイド」の問題。
障害者や高齢者など、スマホやパソコンが苦手な人が申請できないという不公平な対応にならないよう配慮されている。
私個人は、きちんとファイリングされていれば、申請書や契約書は紙でもかまわないと思うが、この本の著者は紙の書類を目の敵にしているようだ。
著者は「片付けアドバイザー」。
「整理収納アドバイザー」とどう違うのかはよくわからないが、この本では、「紙片付け」に特化しているのが興味深い。
考えてみると、子供のいる家庭では、宿題のプリントや学校からのお知らせ、子供の作文や絵画などの作品など、かなり書類の分量が多い。
もしかしたら、我が家よりも書類が多いかもしれない。
毎日増えていく紙類を、どう処理するか……。
著者は「ホームファイリング」というメソッドを持っている。
書類を「暮らし」「健康」「教育」「マネー」「取説・保証書」「未処理」の6種類に分類。
「処分」「データ化後、破棄」「保管」と3種類の処理を行う。「未処理」としている書類の処理にも、期限を設けて、スマホのカレンダーアプリでスケジュール管理。
ほとんどの紙類はスマホで撮影して、データ化。
GoogleキープやEvernoteなどのクラウド上に保管。必要に応じて検索する。
「トリセツ(取扱説明書類)」「マネーフォワードME(家計簿)」「Stocard(ポイントカード)」「EPARKお薬手帳(お薬手帳)」「Notability(ノート)」「Eight(名刺管理)」などのアプリを駆使して、家の中にある紙類を減らしていく。
家中の紙を片づけるのは3日あれば十分だそうだ。
……すごい。徹底している。
確かに、これが全部できれば、それだけの意思の力があれば、人生を変えられる。
「まだ、そこまで徹底的に書類を処分できる覚悟ができていない私は、まだまだ甘いな」と思った。
『人生が変わる紙片付け!』 石坂京子 著 ダイヤモンド社
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